きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

養老孟司先生に学ぶ。

私は最近、養老先生にはまっています。

養老先生とは、日本の頭脳と名高い養老孟司さん。

お名前は昔から存じ上げていましたが、2014年に大好きな番組、アウトデラックスに出演されたのをみたことで、一気に関心が出てしまいました。この時の養老先生は、アウトな出演者からのお悩み相談を受けるというコーナーに出ていて、もし、悩みが馬鹿馬鹿しければ、途中で終わってもいいと言われていたにも関わらず、淡々とした無愛想な(すいません)表情で相談を結構聞いておられ、たまにコメントするのだけれど、その言葉が非常に端的で知的で、一瞬どういうことか分からない、理解するのに時間を少し要する、という、そのミステリアスな雰囲気がとても印象的で、私の好奇心を煽るのに充分でした。

以来、いったいこの人はどういう人なんだろう?という疑問を持ち続けていました。

去年、またテレビで養老先生をお見かけし、その疑問が再燃。ちょうど本屋に立ち寄った際、

「人生は本来、不要不急」という本に出会って、これは絶対に買って読みたいと思い購入しました。

このコロナ禍で、一体どれくらいこの「不要不急」という言葉を聞いたことでしょう。仕事柄、かなりこの言葉で外出を制限されたのに、まさかの私たちの人生そのものが不要不急とは。

それって、いったいどういうこと?

またまた好奇心を掻き立てられる言葉で興味を引き付けられていました。

私は本屋に入ると、棚の前に立ち、しばしボーッと眺めることにしています。「これだな」と直感に訴えるものを手に取ると大抵は面白いと思える内容になっていて、出だしからグーっと入り込むことができる本は、買う価値がある、と判断して購入しています。

養老先生のこの本もまた、そう判断するに相応しいものでした。

養老先生の書いた本を初めて読むことになったわけですが、これが非常に面白い。解剖学医としてだけでなく、カトリックの学校に通っていたことから受けた宗教観や終戦の経験が与えた影響をご自身で振り返りながら、世の中の物事を、様々な角度で見、その視点から深く考察された文章は、日頃あれこれ考えがちな私にとっても刺激的で、新しい世界を開いてくれます。

そして、養老先生の魅力は、それだけでなく、所々にユーモアがあり、それがまたとてもかわいいのです。

何度も読みながら「あはは」と声を出してしまうほどに。

 

思えば私は、遠藤周作さんのエッセイもとても好きでした。このお二方は、やはりお家柄も良く、どこかその上品さが文章の随所に表れているように思います。

時代背景も、私が見たり知ることの叶わない時代で、そこで生きてきた方たち、ある意味歴史を知っている方たちが書いたものというのはとても魅力的です。

宜しければみなさんも読んでみられてはいかがでしょうか?