きらめき 綴り

困難を抱えた子どもたちと、日々格闘しています。その中での心の煌めきを大切にしています。

幸せな おサルさんたち。

淡路島の南。

洲本市の畑田組というところにあります淡路島モンキーセンター。

恐らくご存知の方や、行ったことのある方は多いのではないでしょうか?

年末のコロナが明け、暫くは後遺症だったのか、なんとも言えずしんどかったのが、やっと和らいできたある日曜日。ドライブがてら淡路島に行こうということになりました。

淡路島に行くのも何年ぶりでしょうか。

過去には、ONOKOROやイングランドの丘には目もくれず、洲本や東浦で海水浴や、水仙郷、このモンキーセンターなどに行っていました。

その日も宛のないブラリ旅ですから、行ったことのないONOKOROなども考えましたが、そうではなく、海岸線をひたすら行くことに。淡路といえば、男の子たちは、若かりしとき必ずバイクや自転車で、この淡路島を一周したい!という冒険心に駈られるようです。女の子からすれば、なんで?でしかないのですが、淡路島が1日で挑戦するのに、程よい大きさなのでしょうか。男の子たちのロマンなのでしょうね✨

 

さて、では今回は、海岸線を通ってどこに行く?と、宛はないけど、全く宛がないのはやはり走り辛いということで、私の脳裏に浮かぶモンキーセンターをなんとなく目指して、いざ行かん!

 

ここは、我が子がまだ生まれていないくらい前に行ったことがあり、色んな意味で印象深いところでした。

また行きたい。そう思っていました。

 

このモンキーセンターは、おサルさんたちをゲージの中ではなく、自由にしていて、餌の時間になると山から群れが下りてくるようで、自然な姿のおサルさんが見られる場所です。

箕面のおサルさんは、狂暴で、車の屋根に乗って揺さぶったり、バックを引ったくったりすると聞いているので、自由なおサルさんだなんて怖すぎ?と思ってしまいますが、昔来たときも、被害に合うことはなく、無事に帰ることができました。

 

モンキーセンターには、海岸沿いの道のすぐ横の駐車場から、徒歩で海の見える一本道の坂を上ります。ここでも、おサルさんたちが、思い思いの行動で道に繰り出し、遊んでいます。鹿も自由に歩いています。町で会ったら「ワァ!」っと腰が抜けるほどの驚きなのに、ここではそこにいるのが当たり前で、訪問者の私たちの方が「すいません。通らしてもらいますね」と遠慮がちに通り、立場逆転です(笑)

でもおサルさんも鹿も心得ていて、ソッと避けて道を譲ってくれるんです。至近距離なのに、襲ってきたりしません。

程なくして、センターに到着。

この時点で、もうこんなにおサルさんがいます。

おサルさんたちは、自由なのですから、入り口に柵などはありません。オープンです。中にそのまま進んでいくと、水呑場があります。そのすぐ横には1mほどの竹筒がぶら下がっていて、おサルさんが自分で紐を引いて傾ければ、側面の小さい穴から餌がポロンと落ちてくる仕組みのようです。

下の写真は一匹のおサルさんが独占し、上手に「1、右手  2、左手  3、キャッチ」と、紐を1、2

で引いたらそのままキャッチして食べてしまうので、側でおこぼれに預かろうとする、鹿や他のサルたちは、待ちぼうけの図です。

いつ、怒って飛びかかるかと見ていましたが、気が長いのか、延々待っていました。

水呑場の向かいは、観光客が餌をあげることができる施設です。でも・・・。

人間が中です(笑)

この先に、昔はさらに、こじんまりとはしていますが、資料館がありました。そこには障がいを持って生まれてきたサルたちのことについての資料が展示してあり、私が今回の目的はその資料館でした。

 

ところが、前あった場所は行き止まりになっています。代わりに近くに通り抜けができる小屋があり、現在のセンターの様子が説明されていました。そこには以前のような障がいを持ったサルについては前面に出されていないようで、いかにここのサルたちが穏やかで仲が良いか、ということが書かれてありました。

淡路ザルたちは、他の地域のサルたちに比べて、性格が優しいということが知られているようです。それは、島だから争いが少ないとか、餌が豊富だとか、気候の影響だとかが理由ではないそうです。ここのボスになる条件は、群れから信頼され人気があること。体が不自由なサルや弱い子ザルの面倒見が良く、寛容で優しいことだそうです。

群れは、この寛容なボスを見て学び、また寛容なボスを選ぶようになったということなのでしょう。サルは社会性の高い動物です。

確かに、ここではたくさんのおサルさんが周りにいるのに、みんな人間に関心がないフリをしてくれています。近くにいることも受け入れてくれているのでしょう。小さな女の子が、おサルさんを触りたくて何度も近寄ります。小さい手を伸ばして、もう届きそうです。おサルさんたちだって、サルです。警戒していつ飛びかかってもおかしくありません。つい「危ないよ」と声をかけました。が、おサルさんたちは、知らん顔でした。本当は内心警戒もしていたでしょうが、一線は越えませんでした。ホッとしました。ここのおサルさんたちでよかった、と。

前に来た時、ここは暗いイメージでした。センター=障がいを持ったサルというイメージがあってのかもしれません。一時は障がいを持って生まれてくるサルが85%に上っていたようで、原因は餌付けの餌に含まれている農薬だろうと言われています。原因が分かってから恐らくセンターでは農薬のない餌に変えたのでしょうか。今は割合としては減っています。

障がいを持って生まれてくるサルの割合が減っているというのは、センターにとっては大きな変化でしょう。センターを包む空気感に違いが出てもおかしくありません。私が今回感じたのは、そういうところなのかもしれません。

 

そういった、センターの歴史を今いるおサルさんたちは、知ってか知らずか、ケンカも少なく平和に暮らし、端で見る私たちには幸せそうに見えます。側には山があり、海があり、餌も確保できる。

その日は天気も穏やかで、日向ぼっこするおサルさんたちのユートピアのようでした。

障がいを持った弱いサルを助けながら、弱い者を守り社会の一員として生きていきやすいように配慮する福祉社会を作っている淡路のおサルさん。

社会性の高いおサルさんたちが出来るなら、それよりも高い知性を持つと言われている私たちにも、当然出来るはず。

 

淡路のおサルさんたちから、たくさん学んだ一日でした。