きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

生命の息吹き。新緑の季節

昨日は朝からスコールの様な雨が断続的に降っていました。ニュースでは、今日13日にかけて大量の黄砂がこの風に乗ってやってくるんですってね。

花粉、pm2.5、食べ物、動物、などなど幾つものアレルギーを持つ私としては、戦々恐々です。

でも、仕事を含め色々用事はあって、空の様子を見ながら、何度も出かけたり戻ったりしていました。

1つ目の用事を終えて、自宅にとんぼ返りする最中、40分後にまた出かける準備の段取りを考えながら自宅への坂道を車で上り、丁度てっぺんに差し掛かった時でしょうか・・・。雨が小康状態になり、差しこんだ薄陽に照らされて、周りがパッと明るくなりました。

「え?」

辺り一面、鮮やかな黄緑色の世界です。

雨上がりで路面も木々もしっとり濡れて、瑞々しく色濃く見えて、まるで別世界。雨で空気中のゴミが流され、視界がクリアになっていたのでしょう。

朝、ここを下る時は気づきませんでした。いつの間に、植物たちはこの初々しい新芽を伸ばしていたのでしょうか。

もしかすると先日からの雨を受けて、グンと急成長したのかもしれません。

毎年5月になると、周りの木々が黄緑色の新葉をいっぱいつけた その枝を、目一杯広げて一回り大きくなります。アマゾンのジャングルが、飛び出す絵本になったように、わっ!という勢いでこちらに迫ります。またこの季節がやってきたのだと思わず頬が緩みます。

 

私はこの季節に特別な思いを抱いています。

20数年前、私は第一子の息子の出産の為にこの時期入院し、38時間かかった挙げ句、出産後に大量出血を起こして、人の倍の2週間、そのまま病院で過ごすことになったのでした。2リットル出血すると、意識って朦朧とするのですね。すぐそばの脈拍計?がその数値を段々落として、40まで下がったのを遠ざかる意識の中で見ていました。

このまま寝てしまったら、もしかしてそのままになってしまうのかな?そう思うと、絶対に意識を失ってはいけない。そう思って、処置に奔走している看護師さんの1人に必死にコンタクトを取って、気づいてもらうことができました。

今こうして、私がブログを打っているということは、その時辛うじて意識を失わず、無事生還できたということなのですが、その後は当然ながら貧血になり足が象のようにパンパンになり、黄疸も出て体も黄色くなりました。

本当なら、出産後すぐ、我が子はそばのベッドに来て授乳が始まるのに、それができず、熱が出てうつらうつらとしながら、新生児室から聞こえる一際大きな泣き声に、「きっとあの声は息子だな」と、1度見たきりの息子なのに、何故か確信を持っていた覚えがあります。

その声を聞いていると、ベッドで寝ていただけなのに、突然「ボン!」と母性のスイッチが入ったのが分かりました。

 

母乳をもらえない我が子に、しばらく看護師さんは砂糖水とミルクを飲ませて下さっていたそうですが、その看護師さんが私の元に来て、「こんな子は初めてだ。ミルクをあげてもあげても泣き止まない」と言って去っていかれました。

どういうこと?

初めての出産なのに、そんな発言を受けてしばらくは衝撃を受けていました。

 

息子は3000g台あって、確かに周りの2000g台のお子さんたちより一回り大きく、「うぎゃあ!」と泣いていますが、「泣き止まない」という育て難さは、それだけが原因ではなかったようです。

私は出産が初めての新米ママでしたが、新生児室で一際大きな声で泣く我が子の声を聞きながら、「少し周りの子と違う」何かを感じ取っていました。

 

その息子も今では20代半ば。途中で体調を崩し、今年3月にようやく卒論を書き終えて、無事に大学を卒業しました。

最後の3年間はほぼ引きこもり状態。これまでも、「どうして園や学校に行かなければならないの」かと、毎日ごねる息子と向き合い、格闘してきた20数年間でした。発達障がいを持つ息子の子育てを通して、学校の先生方と相談しあい、理解しあい、悪戦苦闘してきたからこそ、今の私の仕事に繋がっているのだと思います。

今、他者との生活のリズムが合わなくて不調を起こしながらも依存し、自分のリズムを取り戻せない息子を家から出し、全面的に援助はしていますが、1人暮らしさせて2年が経ちます。

このまま私がいつまでも元気でいるわけではありません。急に1人になって困らないように、少しずつ外界に出し、必要なリハビリを受けられるようバックアップするなかで、彼は徐々に、1人の空間と時の流れの中で、自分を見つめ、親子の関係性を考え直し、徐々に社会との繋がりを考え始めたようです。

もしかすると、この新緑の季節に、ようやく自分の殻から出て、自立の一歩を踏み出すことができるかもしれません。

 

20数年前、2週間の入院が明け、退院した時は5月の初旬。外の世界は、眩いばかりの青々とした新緑で埋め尽くされ、自然に囲まれたその当時の我が家は、本当にジャングルのようで別世界でした。

 

彼が初めて胎内から生まれ出て、外の世界に触れたこの時期は、生命の息吹きを感じる季節。

「始動開始の息吹き」も感じる今日この頃です。