きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

バレーボールシューズ物語。

新しく、バレーボールシューズを買った。

まさか、今になって新調することになるとは予想外だった。

 

週一で務めている幼児親子体操教室の講師では、2コマの内の1つが、体育館で行われるため、体育館シューズを履くのだけれど、前回まで履いていたバレーボールシューズが、ダメになってしまったからだった。

このシューズには思い入れがある。

 

私は小、中、高、ママさんバレーと、合わせて通算18年ほどのバレーボール歴がある。

40歳になってシングルになり、1人で働いて子どもを育てて大学まで行かせるためには、ここで怪我をしてしまうわけにはいかないと、大好きなバレーと、その時に決別することを決めた。

今履いていたシューズは、辞める5年程前に買ったもので、確か15000円ほどしたように思う。

その時はそんな値のシューズを買うつもりはなかったのに、色々履いているうち、違いに気づき、足にピッタリきたそのシューズを気に入ってしまったのだ。

躊躇する点があるとしたら、それがアタッカー用だということだけだろう。

なぜなら私はレシーバーだから。今でいうリベロ

アタッカーほど打たないのに、アタッカー用など履いたらおかしいだろうか、、、と、迷ったが、他に気に入るものもなかったので、ま、いいかと、思い切って購入した。

後々、そのシューズを買って正解だったとわかることになる。

 

そのシューズを初めて履いて練習に行った時のこと。

一応、バックアタックをすることもあるし、咄嗟にアタックすることもあるので、アタック練習には時々参加していたのだが、その日セッターが上げたトスのタイミングに合わせて飛んで驚いた。

ものすごく飛べたのだ。

それまでとは雲泥の差というくらい、飛べたので、いつもよりもアタックの威力も増していた。

買ったシューズの影響に間違いなく、なるほど、アタッカー用と書かれていたのが納得できた。

靴底の、踏み切る時のグリップ力が効いているのだ。踏み込んだ時の勢いが、そのグリップ力によって、上に飛ぶ力に変換されて、ジャンプを助けてくれているのだと体で感じることができた。

予想外の効果に、ますますそのシューズを気に入ったものだった。

それから5年程たち、バレーボールを辞めたが、次は仕事が学校の介助員になったことで、それから更に5年間、体育館シューズとして子どもたちを追いかけるのに大いに役立ってくれた(笑)

その介助員を5年で退職し、療育施設の責任者となり、もうそのシューズを履く機会は無くなったけれど、私がバレーボールをしていた最後の証であり、捨てるのが忍びなくて、それから8年間保管することになった。

 

途中で何度も捨てようかと迷ったけれど、その度に捨てられず押し入れに仕舞うことの繰り返しだった。

もう履くことがないのに、持っていても仕方がないのに、とそろそろ踏ん切りをつけようと思っていた去年の末。障がいをもった子どもとその親の運動の場でボランティアとして子どもたちに運動のサポートをしていた関係で、今やっている幼児親子体操教室の講師のお話をいただいた。

 

急なことだったが、引き受けることになり、にわかにまた、履くこともないと思っていたそのシューズが日の目を見ることとなったのだった。

 

購入してから恐らく18年。すでに加水分解していてもおかしくない。

ところが綺麗でまだ使えそうだ。何回目かに一部靴底のゴムが流石に少しめくれかけていたので、夫が補修してくれたが、「綺麗で驚いた」と言っていたくらいだ。

とりあえず、急遽決まった1月からの親子体操教室は買わずにいける。これは本当に助かった。

幼児の教室とはいえ、保護者の運動不足解消という名目もあるため、内容は結構ハードに動き回る。マットや跳び箱などの器具も多く出すしサーキットも作るので、かなりの重労働でもある(そんな仕事ばかりだ)。それでも足に馴染んだこのシューズがよく頑張って私の動きをサポートしてくれたと思う。年齢的な劣化による負担以外は靴の原因によるトラブルは何もなかった。

1月から先週まで、6ヶ月間、新しく駆け出した私を助けてくれたそのシューズは、その間に、ゆっくり、ゆっくりと靴底の分解を始めた。応急処置で、接着剤でつけるが、動きに耐えられなくなって、また剥がれてゆく。しばらく様子を見ていたが、運動中に剥がれたところで躓いたり滑ったりしては危ない。これはもう限界なんだな、と悟った。

 

でも、もう週に一度の2コマだし、そんなに良い靴じゃなくていい。安いので、間に合わせでいいのではないか、そう思って、ネットで探してみたところ、TIGORAでは4499円ほどでまあまあシンプルで良さそうなのがある。こんな感じでいいんじゃないかな?と思い、購入しようかと思ったが、やっぱり靴は履いてみないと怖い。同じものが店頭にないかな?あれば履いて考えたほうがいい。ということで・・・

 

週末、夫と一緒にスポーツ用品店へ行った。

別にバレーボールシューズじゃなくてもいいのだが、馴染みというものは強い。他にはどこを探せば室内用があるのか分からないし、結局バレーボールコーナーへ一直線なわけだが、行ってみると、あったあった。同じTIGORAのものが。

色はともかく、サイズと履いた感覚が合えばいいな。と履いてみた。

 

おお。

 

やはりねえ。

安いだけのことはある。

素材間にも安心できない・・・。

底が硬い。

残念。若い人ならきっと全然いいのだと思う、これで。

でも、私はダメだねえ。すぐに足が痛くなっちゃうよ。

 

じゃあ次の値段帯はどうかな?と探していく。

でも、ちょっと待てよ?(キムタク?)

何かなあ。慣れ親しんだアシックスなんだけど、なんか右の親指が当たるんだよなあ。

どれもこれも。

前に履いていたのはそんなこと全くなかったのに。

 

側にいた、やる気のなさそうな、売る気のなさそうな店員さんに聞いてみる。

「ああ、アシックス、少し前をあげてるんですよ。フラットのもありますよ」

だそうだ。そうなのか。やっぱり、前が上がっている分、私の足では親指に当たってしまうところが出来ていたのか。フラットのものもあまり気に入らない。

 

ならば、ワンサイズ大きめならどうかな?幅が選べるのがあるよ。

と、吟味した結果、まあ、これならマシか。ちょっとまだかすかに当たるけど。と妥協できるものが見つかった。

けどぉ〜。

1万円少し超えてしまう。高いよぉ。

と、悩んだが、足は大切だからいいよ、と夫が背中を押してくれ、決めた。

「じゃ、これ。」

 

レジに向かおうと、そのコーナーを出ようとした時だった。

通路に面した台の上に、他のメーカーのものが並んでいるじゃないか。

見るとそれは、ミズノだった。

さっきのやる気のなさそな店員さん。教えてくれよ〜ぅ。

新しいシリーズなのだろう。底は岩のようなゴツゴツ感。後ろは蹴られると痛そうなほど突き出ている。踵はかなりの前傾姿勢。何より足を入れるときに引っ張るところはバットマンの如くギザギザカット。かなり違和感あるんですけど。

 

台の周りをぐるぐる回る。

うん、でもちょっと気になるから、履いてみるか!

もう、サイズがあるものを選ぶしかないよねと、ピンポイントで探す。

ありました。色も不可でないものが。

 

足を入れるとき、ちょっとバットマンが邪魔をする。

だけど・・・おお!?

なかなかの中のクッション性。親指は当たらない。足が痛くならないために必要な要素がクリアされているぞ。ぞ。ぞ・・・。

ただ、もっと値段が上がってしまう。結局また15000円ランクじゃないか。

う〜う〜。

と唸っていると、またもや夫が、

「いいんだよ、足は大事なんだから」

と、理解のあることを。

 

もう、他の店舗にいく余裕もないしな。

 

それではお言葉に甘えまして・・・

ミズノに決定!

ポイントも使ってね。

 

もう、体を酷使する仕事はしないぞ!と、思っていたのに、こんな時期になって、またシューズを新調するとは。思ってもいないことでした。

 

まだまだ、体張れ!ってことですか。

可愛い子供たちのために、頑張りますか。

 

これからは、先代に変わって、新しいシューズが私の足と仕事を支えてくれると期待して。

 

ちなみにこの新しいシューズもまた、

「アタッカー用」でした。

しかも上級用笑

 

 

ありがとう。18年間足元を守ってくれたアシックス。

 

これからよろしくね。ミズノシューズ。