きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

市役所で、、、。

息子を連れて 市役所へ。

今日は今後息子が就職したとして、調子が良いように思っても、いつどんなことがきっかけで、また外にもいけないほどしんどくなってしまうか分からないので、動けるうちに、これから自分で生きて行くために、受けられる支援にはどんなものがあるのか、自分の耳で聞き、考え、選んでいくことができるように、自立支援の窓口にやって来た。

前もって私があれこれリサーチした上で、窓口の担当者と本人と繋ぐ為に、本人の調子の良い日に予約を1度入れていたが、直前で「俺はいかない」という。あるあるであるある(一回多い)。

今日は2度目の正直なるか。

直前まで寝ていて起きなかったが、出発まであと15分というところでガバッと起き上がり、ご飯も食べずに用意しだした。出発の予定時刻には「行けますけど」と、シャンとした姿で立っていた。

起きさえすれば、しっかり動けるようになってきた。

だいぶ行動が速くなった。切り替えがつくようになった。(手洗いの回数が心なしか多かったけど)

そうして今窓口で一人で担当者から話を聞いている。「一人で聞く」と言うところをみると、やはり対外的にも自分はもう大人であるという意識があるからだろう。

 

そんなこんなで今私は少し離れた場所の待ち合いのソファに座り、この記事を書いている。

と、前方で、激しく泣いている一人の幼児が。恐らく2歳。

床にひっくり返って泣いている。ギャー。

ママは下の子を抱っこ紐で抱いている為、泣いている上の子を抱いてやりたくてもできず、床から抱き上げることもできない。

それがまた泣いている子にしてみれば腹が立つのだろう。這いながら転げ、逃げていこうとする。

もはや、パニック状態。目的なんかないけど、とにかく逃げてやるモードといったところだろう。

市役所には、受付番号を出す機械の周りに何人も係りの人が待機していて、この親子の様子を見ているが、見てるだけ〜だ。

コロナ禍になってから、迂闊に他所のお子さんに触れることにかなり躊躇する時代となった。好意のつもりがママにとっては余計なお世話になることも少なくはないから、みんな、何とかしてあげたいな、と思って足がジリジリはしているが、どうにも一歩が出ないらしい。

こういう時、ママは本当に冷や汗、脂汗、変な汗をかくよね、と私はその状況を眺めていて気の毒になった。私も散々息子に汗をかかされてきたから。

さて、仕方がない。市役所の人も手を出さないのに、私が出すのも思案するが、抱いてやりたくても抱いてやれないママにとっては、なすすべがないのだから、知らない人が抱き上げて余計に人見知りをしてギャーーーーーっとならない限りは余計なお世話にはならないだろう、と判断して、カバンを持って立ち上がった。

 

ほんの10メートルほど。

ゆっくり歩いていって、そのまま知り合いかのように泣いている子を後ろから抱き上げた。

泣いている子って、急に体が浮いたり、抱かれたりすると、視点や体にかかる圧が変わって一旦泣き止む。そのままこちらの顔をあまり見せると、

「しらん〜〜〜ギャー」

と余計に泣くことが多いので、体には密着させず、片腕にしっかり乗せて、やや前方に体を向けてやり視点は高く周りが見渡せるようにしてやった。

そして「そっか、そっか、怒ってるのか〜。よしよし、大丈夫だよ」と言ってやると、ヒクヒクしながらもきょとんとしている。

ママが言うには、市役所に置いてあった旗?をずっと触りたかったが、気を逸らす為にお菓子をあげようとしたら、そのお菓子が落ちてしまい、余計に機嫌を損ねたらしい。

 

ああ、やっぱり怒っていたんだね。お菓子落ちちゃったのか。残念だったね。でもほらあれ見て〜!向こうに熊さんがいるよ!と、市役所に置かれていた巨大な熊の像を指差し、気を逸らせた。

泣いていた子は、え?どれ?といった調子で私が指差した方を向く。

さあ、チャンスが来たよ。

ママはどこに行きたかったの?と聞くと、今から2階に上がるのだと言う。

ほいほい、2階ね、早速行きましょう、と巨大熊の像がある方へ指差しながら向かい、束の間、熊を一緒に見てからエレベーターへと乗り込む。

子どもはエレベーターのボタンが好きだ。

ほら上に行くよとオレンジに光る矢印を見せ、扉が空いたら行き先の「2」のボタンを押させてあげる。

2階についたら、今度は女の子の可愛い像が立っていた。

次々興味をひける物があってなかなかいいねぇ、この市役所は。と思いながら目的のこども関連の窓口前までやってきた。

ママがおやつあげるね、と言っている。

「良くがんばったね。偉かったから、おやつもらえるって。良かったねぇ」と声をかけた。

泣きながらもしっかりこちらを向いて聞いている。

涙をまだ目にいっぱい浮かべながらも、たまごボーロを2つ口にいれてもらったその子。

「良かったね、じゃあね」

と、手を差し出すと、見知らぬ私にハイタッチをしてくれた。かわいいちっちゃいお手々で。(私はアルコール消毒をしています)

 

はい、いっちょあがり。

 

「しらん、ギャー」と泣かないでくれたあの子。お利口さんでした。

 

ホクホクしてまた元の息子を待つ窓口近くのソファに戻った。