私には、歳の離れたお友達がいる。
どれくらい離れているかというと、23歳。
うちの母と同い年だわ。
どこで知り合ったかというと、私が最初に勤めていた療育(発達支援)施設だった。
非常勤の指導員として私の元で働いてくれていた方だ。
私がその初めの施設を、そこの代表者の子どもへの対応に腹が立って辞め、次の施設へと移っても、いっしょついて来てくれて、いつも私の味方になってくれた。
結構キャラの濃い、万人受けはしないタイプだけれど、どこか話し言葉に上品さがあるのに、面白さもあり、大好きで、そのキャラの濃さにいつも楽しい気持ちにさせてもらっていた。
中でも、お気入りのセリフは、コーヒーを休憩時間にお勧めした時に言う、
「みずくっそ〜う、お願いします」
だ。
みずくっそ〜う、というのは、アメリカンをもっともっと薄くして欲しい、という意味だ。
その言い方が面白くて、大好きなのだ。
「彼女」は、職場を離れても、事ある毎に私をランチに誘ってくれた。宝塚や演奏会などもお好きで、チケットをあちこち取っては、予定が合わなくなったといって、譲ってくれたりもした。
電話もよくかけてきてくれる。1度話し出すと止まらなくて3時間くらい経つことも多々ある。話しのネタが尽きないのだ。
私は年齢を重ねた人と話すのが好きだ。
その人が生きてきた歴史やその中で重ねてきた考えを聞かせてもらうのが大好きだからだ。
人生の先輩の話には、たくさんの知恵や私がまだ至っていない境地が詰まっている。
それが私にとっては宝物の様にキラキラと光って思えるのだ。
その23歳年上のお友達が、今度パイプオルガンの演奏会に一緒に行こう!と誘ってくれた。
どうやらパイプオルガンがお好きなんだそうな。
「私もパイプオルガンが好き!」
と打ち明けたら、先の様な展開になった。
私は子どもの頃からパイプオルガンが好きだった。あの重厚で荘厳な美しい音色。神秘的だ。
デスラー総統が弾く?白色彗星。確かハーロックでもミーメが弾いていなかった?レアなそのシーンが出るのを心待ちにしていた記憶があるのだけれど。
私にとって、パイプオルガンは未知なる神聖な楽器なのだ。
そのお友達が言うには、築地本願寺にもパイプオルガンがあって、その組み合わせがまた大好きなのだとか。
ところが、「パイプオルガンが好き」という人はなかなか少なく出逢わないらしい。
偶然に私も好きだったと知り、お友達のテンションは爆上がり(笑)
私も自分では絶対に辿り着かなかったであろうパイプオルガンの演奏会に行けることになり、その人とのご縁に不思議なものを感じつつ、誘ってくれたことに感謝でいっぱい。
実は夫も、パイプオルガンが好きだ。
今度また機会があったらその時は3人で!と言っている。