きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

おめかししてお出かけ、のその後。

ずっと断っていた、夫の会社の家族参加OKの集まりに初めて参加した。

定番の初夏のBBQだと、暑さが大の苦手の私は、ただでさえ暑いのに、なんで火の側にいなくちゃなんないのか?と疑問だし、汗だくなのに参加者と談笑しなければならないのは辛いとか、お肉を食べるにも気を遣うとか、色々と苦行でしかない。

でも今回は、自分ではなかなか行かないような、梅田の高層階のレストランでビッフェ形式というのが魅力的だった。しかも会費は要らない!

今回も、夫は熱心に誘ってくれ、今の私には断る理由が何もなく、思い切って行ってみるか、と珍しく思えたのだ。

しかし、会社の新入社員歓迎会。梅田だし、高層階だし、社員じゃないし、若くもないし、どの程度の出で立ちで、行けばいいかということに悩んだ。

少しきちんと感はあるけれど、オフィスカジュアル的でもなく、、、となるとかえって難しい。

そこで、気に入っているのになかなか着る機会が少ない、ブルー寄りのエメラルドグリーン(と、夫が言う)のプリーツスカートを履くことにした。少しサテン地の様に光沢がある生地で華があるから好きだ。

靴はエナメルのローファータイプ。マニッシュよりもエレガント寄りのタイプだ。

上はというと、白のボートネックで落ち感のある素材のカットソーに、ぱっと見は黒に近い落ち着いたパープルのカーディガンを羽織った。

おめかしといっても、この程度だけれど、力が入りすぎていなくていいかな、と思えた。

 

一昨日も書いたけれど、電車に遅れが出ていると経路検索に出ていて、早めに出発したけれど、何の障害もなくスムーズに梅田についたので、集合時間まで阪急百貨店の1階から3階まで視察(ウィンドウショッピング)をした。

元々百貨店ガールだったこともあり、百貨店は大好き。

それにしても、あれだね。フロアには中国語が響き渡り、中国の方が胸を張って歩いている。日本人はどこ?という感じ。ついに、梅田まで難波、心斎橋化したの?と驚いた。

後から考えたのだけれど、私が今回見たかったバッグ売り場は、見落としかもしれないが、平場は無く全てショップ、コーナー化していたし、陳列された商品はカチッとしたデザインのものが殆どだった。今の流行りがそうなのかもしれないけれど、これだけ中国の方が多いとなると、中国の方が好きなデザインが多く並べられるとか、中国の方が好きなブランドが入っているとか、そういったことってあるのかしら? そうだとすると、私たちは自分たちの好きなデザインが百貨店では買えなくなるということに。それってなんだか滑稽だ。

あ!そんなことを考えていたら集合時間ギリギリになってしまった!と、慌てて建物から脱出し、茶屋町の方へと中国の方たちの中をかき分けかき分け進んだ。

ビルの一階フロアにいる夫の姿がガラス越しに見えた。間に合ってよかった!

フロアでは、夫の上司の方々が一緒に案内を待っておられた。直属の上司は女性だ。なんとその方は私と同じ年齢。何となく近い年齢だということは分かっていたが、同学年だと最近判明した。

これまで研究職、学校教員を務め、企業に勤務するのが初めての経験だった夫がこの会社に入社し配属された時、上司が女性でしかも私と近い年齢だということに何か運命を感じたものだった。

夫が私のいた施設にアルバイトとしてやって来た時、「業界の違い」というものをひしひしと感じた。エビデンスが重要な研究職と、エビデンスも必要だが、何もかもが解明されていない障がい分野とは、理解の仕方や取り組み方が大きく違うところがある。

生きてきた時代も違う。

今の様に整備されていない時代にまずは体を動かし、先達の姿を見て学ぶ体得型の人間と、効率、合理性、システム化の洗礼を受けてきた人間が、1つの組織の中で前者が上司、後者が部下として一緒に業務を行う時、問題解決を前にお互いの考えというものは真っ向から対立しやすい。

建設的に意見を融合し、より良い方法を見つけるためには、お互いの意見がどの様な背景から出たものか、から、丁寧な話し合いや対話を重ねる過程が必要になる。

その過程で、拘りがある研究職出身との対話はシビアになりやすい。が、今を生きる人の意見は私たち年代にも目から鱗の気づきをもたらしてくれるし、反対に今を生きる人にも時代を長く生きるということの重みや深み、そして体得がなぜ必要で大切にされるのか、普通なら実際に長い年月をかけて経験しなければ到達できない境地を知ることができる。

実は私は夫とは結婚までに付き合い期間といえるものは殆どなかった。辛うじて一ヶ月ほどだろうか。後は業務時間に激論を交わす私たち2人を見たことのある人しかいないと思う。間に挟まれた人は、私たちの緊迫した空気感に凍っていたことだろう。そして、何の話がなされているかさっぱり分からなかったと言っていた。深堀、突き詰め型の2人の話は難解だったみたいだ。 

この、一緒に仕事をしていた時間に夫に伝えきれなかったことの続きが、この、私と同じ歳の女性上司によってきっと引き継がれて伝えられていくのだろうな、と直感したのだった。

その直感は当たっていた。

会社の業務の効率化、システム化を巡り、葛藤する2つの世代の意見の食い違い、葛藤、背景など、今度は私が第三者として夫に伝えることが出来るし、上司が、夫が乗り越え成長する壁の役割になっていたからだ。

 

こうして夫は2年で何枚も皮を脱皮し成長させていただいたと思う。

 

新入社員歓迎会は、面白かった。

何が面白かったかというと、人の会社模様が見られる点だった。

夫の会社は今は若き兄弟が2人で社長を引き継ぎ、牽引されている。活気があり、バラエティ豊かな人たちが起用されている。オープンで今どきの社風。へええ、と驚くことも多い。

例えば服装、言葉遣い、態度、どれを取っても、へええ、だった。これは私がそれだけ古い人間になったことの証でもあるなぁと苦笑いだ。

もう1つ面白かったのは、何故か私たち夫婦にあてがわれた席が、お子ちゃまが5人もいるテーブルだったということ。ほらぁ、やっぱりこういうことだよ(どういうこと?)と夫と笑いあった。

子どもに縁があるねぇ。

若いご夫婦が連れて来られた生まれて一ヶ月の赤ちゃん。後の4人は兄妹。2歳や4歳もいる。

他のテーブルにも所々子どもたちがいたが、大きな声で泣き、ごねるといった子はほぼおらず、お利口さんたちばかりだったことにも驚いた。

人見知りせず、屈託の無いとびきり可愛い笑顔の2歳の男の子が、私たちの隣でビッフェからお父さんが取ってきた料理をバクバク食べる様子には目が丸くなった。側にお父さんがいなくても、お母さんがいなくても、全然お構い無しで食べ続け、時折こちらを振り向いてニコリとする。この子に出逢えただけでも来た甲斐があった(笑)

料理は美味しかったが、量は少な目だったかもしれない。梅田だもの。場所代だけでも高いよね、きっと。

でもロケーションが良く、テラス席のガラス窓越しに見下ろす大阪駅HEPファイブの観覧車は小さく見え、良い気持ちで過ごす事ができた。

ご紹介をいただいた会社の方々は、私と夫を見比べて、色々と聞きたいことはあったに違いない。でも、そこは皆さん常識的な方々。あからさまに年齢のことなど聞いてこられる方はおられなかった。

お開きになった頃、女性上司が私たちの元に来られた。

差し障りの無い挨拶を交わす。同じ歳だけれど、一企業の一つの部署の管理職を担うその方は背も私より高く貫禄があった。私は家族だし、謙虚に皮を被る(笑)。日頃からお世話になっている感謝をお伝えした後、自分から切り出した。

「私たち、同じ年齢です」

管理職だもの。社員の家族構成くらい採用の時点で把握している。

「そうらしいですね」

驚きも無く、既知の事実だという感じでにこやかな笑顔を向けつつも、念の為お互いの生まれ月を言い合い、しかと同じ学年と確認が取れると、その方はニカッと笑い徐ろに右手をサッと差し出された。私もニカッと笑い、その手を右手で握り、硬く握手を交わした。

その様子を夫は面白そうに微笑んで背後で見つめていた。

 

社員を支える家族への感謝を込めて、と定期的にこういった会を開かれる会社も多いことと思う。でも、実際にその家族に個々に声をかける社長はどれくらいいるだろうか。

夫の会社の若き社長さんはエレベーターを待つ私の前に急いで来られ、時間を割いて丁寧にお声をかけて下さった。時々私が会社へ迎えに行き、駐車場で待っていることも社屋内から見て把握しておられたようだ。

「こういった会の参加は初めてですか?」と尋ねられたので、率直に

「BBQは暑いので苦手で」

と答えると、

「今度から冷房完備の所にしないといけませんねぇ」と笑っておられた。

是非そうしていただけると助かります(笑)

 

周りの社員の方々を見渡しても、夫のカラーと被る方はあまり見受けられないが、この活気ある会社の皆さんの中で、揉まれ磨かれ、多くのことを学ばせてもらえるといいなと思えた。

私は恐らく今後、こういった規模の企業に勤めることはもう無いだろうと思う。そういう意味でも夫の会社の雰囲気を味あわせてもらえる機会に恵まれ、行って良かったなと思えた。

 

 

比較的早い時間に終わったので、帰りは3番街のパフェ屋さんに寄り、フルーツパフェとティラミスパフェを食べて余韻を楽しみ、その後、人種の坩堝と化した梅田の駅を後にした。

 

後日、別の上司の方が、夫に

「どうだ?奥さんは楽しんでおられたか?」と尋ねてこられ、夫は、

「はい!妻は人間観察が趣味なので!」

と答えたとか。

 

あちゃ。

 

(レストランのHPより)