なんて雄大なんだろう。
今回の旅で、改めて実感したのはカナダ、そしてアメリカの国土のあまりの広さだった。
勿論どちらも広大だと知っているし、これまでフロリダやオーストラリア•ケアンズを訪れたこともある。
気球にも乗ったし、クルーズ船にも乗った。空も海も広大だったけれど、大地の広大さも実感した。
これまでと違うのは、一所を拠点として観光していたのに比べて、今回は4カ所の移動を前提としていた点だ。
今回の旅。実は主な目的は観光ではなかった。第一には、夫の用事でアメリカの銀行へ。第二に親族のお墓参り。そして第三に可能ならナイアガラの滝へ。第四にそれらの移動を可能にする車を借りること。
クリーブランド、バッファロー、ナイアガラ•フォールズ、トロント間を行ったり来たり。
それを可能にするには車が必要だ。車なら空港から借りることができる。帰りも同じ空港なら、返す手間も無い。
ただ、夫はスポーツカー好き。私たちがどこかへ旅しようと思えば、かなりの確率で夫が輸入車を借りて長距離を走ることになる。
最近のお気に入りはアメリカ車のシボレー•コルベットらしい。でもさすがにこれは、、、。
ということで、色々と探した結果、同じアメリカ車のフォード•マスタングにしたらしい。アメリカの国土を走るに適したパワーカーだ。レンタル会社ではなく民間人の所有車をお借りする。
私は他者の車を借りると緊張してキリキリするので気乗りしないが、せっかくアメリカまで行って、夫が心残りになってもなぁ、、、と心を決めた。
結局、貸してくださる方の自宅がトロント空港から高速で30分ほど離れている為、往復分余計に移動が足されることとなった。
カナダやアメリカは日本と違って一般道から高速への乗り降りがすぐできる。そしてなんと無料だそうだ。そりゃそうか。どこに行くにも桁違いの広さなんだもの。これが有料だったら大変だ。
今回の行程を地図で見ると大したことはないように思うけれど、きっと実際はかなりクリーブランドまでも離れていることだろう。
1日目はほぼ、そことの往復だけで終わる。
無論その距離を一人で運転するなどできっこない。本当は怖いので運転したくはなかったのだけど、心の何処かで、こんな機会滅多にないなぁという気持ちも。
なので夫の疲れが限界になった時、真っすぐの高速道路ならできるかも、と、ほんの45kmほどだけ交代し、私もマスタングを運転した。
左ハンドル、右車線。

もうね、これだけで脳がバグります。それにマスタング、結構ハンドルが敏感で。少しのブレも反映されてしまう。だから、ただ真っすぐ走るだけ(車線変更は何度かしたよ)でも冷や汗、脂汗。

それに、向こうの人々は物凄く飛ばす。もう慣れっこなのだろう。時々すぐ横をロケットかと思うほどぶっ飛ばして通り過ぎる車が。あれは200㌔/時速は出ているんじゃなかろうか?
でも、私もちょっと慣れたころ、気がつけば1◯9㌔/時速が出て、、、(内緒)。
運転してみて、つくづく国際運転免許証を取っててよかったなと。いい経験だし、そうでなければ、宿泊先に戻れてなかったし(笑)。
クリーブランドは遠くて、帰りは真夜中を過ぎていた。途中、路肩に車を停めて2人で小一時間ほど爆睡。よく宿に戻れたなと思う。

そうそう。
宿泊先はカナダ側のナイアガラ•フォールズの町だけれど、それ以外の用事の大半はアメリカ側にあり。その為、2日間は国境を出たり入ったりもしていた。
下の写真はアメリカに入る為のゲート。

まずここで、外国人である私は、ゲートの中の事務所(?)へ行けと指示を受ける。よくある映画のワンシーンの様な、カウンターの向こうに国境警備隊の人がいて、こっち側のベンチに横並びに外国人が並ばされ、尋問を受ける形。応答は勿論夫が代わりにしてくれたが、緊張した。

(ゲートをくぐったらパーキングがある)

(これはカナダ側の国境ゲート)
この時は夜中の0時を回っていた。国境って何時まで?と心配したが、24時間対応らしい。早朝深夜は空いているけれど、10時にもなると混み合って、橋の上で並んで渋滞する可能性あり。
私たちも3日目は出発が遅れ、この渋滞にはまってしまった。でもそのお陰で私たちは幸運と出逢うことになる!
またそのお話は次回、、、か、またその次回に書きたいと思う。

国境を越え、アメリカ側に渡って小さな町を抜けると、しばらくは芝生の広がる公園が続く。

アメリカのこの辺りでは交差点に差し掛かるとこんな風にぶらぶらとぶら下がってるいるような形の信号が多い。なんとも頼りなげではあるが、決して本当にぶらぶらはしておらず、しっかり固定され、その役割を果たしているようだ。
ある意味、自由自在に道路の方角に合わせて設置することができて合理的なのかもしれない。

高速道路も延々続くけど、一般道も延々。
この道の両脇には、どこまでも続くブドウ畑が現れます。どうやって収穫するのかなぁと心配するほど。
長閑な一本道、カントリーロードやスタンド・バイ・ミーを聴きながら走る。

(オープンで走ると気分爽快。でも案の定髪はバサバサになるよね〜)


永遠に続くブドウ畑。

永遠に続くひまわり畑。


(これは目的地の一つ。クリーブランドで。)
これまでに幾つかオープンカーやスポーツカーに乗ったけれど、このマスタングはヘッドレストも程よく柔らかく、シートもガチガチに体をホールドしておらず、乗り降りもしやすく、一番乗りやすく、好きだった。


(足元にもこだわりが)

(ドアを開けると足元の地面にこの馬が映し出される)
初めて見た時、何か落としたっけ?と2人で暫くフリーズ。映し出されていると理解が追いついた時には興奮してしまった。
マスタングとは、北米の平原をかける野生馬という意味があるそうだ。まさしく今回の旅に相応しい。
気がつけば、4泊5日の行程、総走行距離は1200kmに達していた。