この旅のもう一つの大きな目的は銀行に行くことだった。現地でないと出来ないことがあるためだ。支店があちこちにあるようで、最寄りの店に行った。

ローカルな場所だからかもしれないが、ここでも日本との違いを非常に感じた。
一つはATMが外にむき出しであること。その側にSecurity要員がずっと張り付いて見張っている。いや、物騒なんだから、室内にすれば?それにずっと暑いのに外で張り付いている係りの人、大変よね。と、思いながら店内へ入った。
他には1人か2人しか客は出入りしていない。でも、入り口で4人、銀行員が立って待機している。その中に一際個性的な長身の黒人男性がいた。
夫が要件を伝えると、一番奥に立っていた、その一際個性的な男性が、待ってました!出番だぜ♪というように踊り出て来て驚いた。
いや、その方だけは違うと思っていた、というか思いたかった。
そして、2つのブースの内の1つに通される。これは予想外だった。ガラス張りのドラマで見るような、商談ブース。ドンとテーブルがあり、パソコンが1台。向かいあって、「さあ、要件をどうぞ」と多分言っている(英語わかりません)。
夫はまさかのその迫力のバンカーに、緊張。しかし、よく渡り合って交渉していた。
個性派バンカーは、何度も時折首を左右に振り、下唇をいかりや長介さんの様に突き出し、チッチと軽い舌打ちしつつ低音で囁く。
いかにもダメって言われそうな雰囲気で、重苦しい空気が流れる。
結果は「OK」
いや、OKなんかい!とずっこけそうになった。私はやり取りが全く分からないので、ずーっとその人を観察していた。
個性派バンカーは、バンカーなのに赤紫のジャケットをビシッと着こなし、赤紫の縁にベージュのテンプル(アーム)のメガネをかけ、右手には黒皮のブレス、左手にはタトゥーと、ごっついプラチナっぽい指輪をはめている。ネクタイも赤紫の格子柄。Yシャツはグレイッシュなベージュ。そしてアゴには手入れの行き届いたヒゲが綿菓子のように形成されていた。隙の無いトータルコーディネートだった。

(こんな人)
インパクトが強すぎて、今でも忘れられない。とびきりのお洒落さんだった。出逢えたことに感謝だ。きっと一生忘れない。
それにしても、アメリカって自由なのね。としみじみ。
日本では、銀行にいつも列ができている。市役所だって同じだ。なんだか、ひどく日本人は非効率だと感じさせられた。日本人はいつだって忙しなく、動きすぎているんじゃなかろうか?
銀行が終われば、さて、晴れて自由時間だ。
バッファローの街の観光名所をググるが行き先がまとまらない。闇雲に車で走っていると、なんだか目に留まる建造物が現れた。
あれ?っ、これさっき、ちょっと気になるなって思ったところじゃない?
AKGアートミュージアム!ただし休館日。建物を見ることができただけても良しとする。

仕方ないなとお向かいをみたら、なんか良さそうな池がある。ちょっと散歩をすることにした。

ベンチで一休みしたあと、歩きだしたら、池の中から沢山の水鳥がこちらの岸に泳いで近づいてくるではないか。リーダーらしい1羽が先に上陸し、暫く緊迫した空気を漂わせながらこちらを伺っていた。とても観察されている。群れを危険に合わせるわけにはいかない。そんな意志が感じられた。
が、おもむろに池の中で待機している仲間の方へ向き直り、Goサインを出したらしい。次々と他の鳥たちも上陸を始めた。
その間中、リーダーは周りを監視。その強い責任感に感心してしまった。
よく日本で見かける鴨より大型だ。
日本に戻ってから息子に見せたところ、「雁だな」と教えてくれた。

こんな、お洒落なレストランも。

池を後にして更に走ると、急に明るい街に出た。高級感あるお店が立ち並ぶ。

どうやらバッファロー大学の医学部のようだ。きっと、お洒落な大学生たちで賑わう街なのだろうな。


こんな都会の街を、車から降りて歩きたかったのだけれども、とにかくパーキングに停められない。路肩にズラッとパーキングはあるし、囲われたものもあるけれど、支払いが殆どQRコードでアプリを読みこまなければならないタイプで、日本の端末では読み込めないようになっていて、諦めざるをえなかった、、、。


(こんなフラワーボールか大好きだ!素敵すぎて胸躍る✨)
そのまま彷徨い、ウロウロ走る内に、突如視界に入ってきたものがあった。
あ!あれは!
またもや、観光地を探していた時、私が気になっていた「ある物」だった。

続く、、、。