不動産屋、、、といっても仲介業者の26歳の担当者さんは、どうやら年上の女性、姉さん女房なんかに憧れがあるらしい。
契約の話が一段落つく頃、
「それで〜、どちらから言い出したんですか?」
などと聞いてきた。
「どうしても今日はお伺いしたいんです。どうやったら年上の彼女を見つけられるかなと思ってて。」と。
どうも年上の女性には甘えられると思っているらしい。
手のひらでコロコロされたいんだにゃ?
でも、幾ら年上が良いとはいえ、私は夫の20歳上だぞ?
そこでこの担当者さんに聞いてみた。
何歳くらい上がいいの?と。
「そうですねぇ、、、3歳上かな?」
らしい。3歳?たったの?なんてね(笑)
じゃ、試しに、10歳上ならどう?と聞いてみた。
「え?」
動きが止まった。暫し考え、
「それはちょっと、、、」
だそうだ。
はは。そうだよね。10歳上など想定外。
きっとそこまでの年上は女性という認識もないかもしれない(笑)
この担当者さん、前の仕事は生き物を扱っていたとか。生き物は、年がら年中お世話が必要だ。しかし、生き物はどんなに世話をしても、「ありがとう」を言ってくれないことに気づいたんだとか。
どうせなら、「ありがとう」と言ってもらえる仕事がしたい。というのが転職のきっかけだったそうだ。
ふむふむ。「ありがとう」ね。
そもそも、仕事は何の為にするのだろうか。
人それぞれではあるけれど、私は困っている人や社会の役に立ち、それによって対価を得ている、と思っている。福祉の場合、その対価は税金と子どもたちのご両親からいただいたお金だ。ご両親が、大切なわが子を想い、かけがえのないお金を支払ってくれているのだ。
更に、可愛い子どもたちからかけがえのない「きらめき」までいただいている。
ある意味、子どもたちの成長が一番の対価だ。
「対価」と「きらめき」を頂き、その上で「ありがとう」までいただこうとは思っていない。
この若き担当者さんは、いつまでも年上女房には甘えられると思っているようだ。
「いつか逆転するんだよ?」
と言ってやった。
「逆転?」
と豆鉄砲をくらった鳩みたいに目を丸くした。
「そう。逆転。初めは年上の彼女(奥さん)がよしよししてくれるでしょう?でも、その彼女(奥さん)だって段々歳を取るでしょう?そしたら代わりにあなたがしっかりしていって、それまでよしよししてもらった分、今度は代わりに守ってあげるんだよ」
そう説明した。
他者から貰うばかりではいけないのだ。
「もし年上の彼女(奥さん)が歳を取って、面倒を見てあげなくちゃならなくなったら、どうするぅ〜?」
と、意地悪して聞いてみた。
「うう、、、」
そんなことは全く考えていなかったみたい。
若き担当者さんの目からは、鱗が何枚もこぼれ落ちていた。
「うちは、20歳上だよ?」
と言ってやった。
「え?そんなに上でした?」
「そうだよ(笑)」
「ううう、、、」
と最後は呻きに変わっていた。
うちの夫は最初こそ若者然としていた。
束縛のキライな自由人だった。
それがいつしか持ち前の負けん気の強さと、不屈の魂で、めきめきと頼れる一家の大黒柱となっていった。
どこかで、甘えたい、という気持ちもあると思う。これは、別にどこのご夫婦でも甘えたり、甘えられたりするのと同じだ。
じゃあ、ギブ&テイクなのか。需要と供給?
そういうことも言えると思う。
ただ、テイクがあるからギブなのか、というとどうだろう?
テイクがなければギブしないのか?ということにもなる。
例え、テイクがなくてもギブなのだ。愛って。基本的にはね。
それくらいに思えているといいんじゃないかな。
因みに、夫は
「この人、成熟度が凄いんですよ」
と答えていた。だから
「刺激的」
なのだそうだ。
甘えられる、だけじゃない。切磋琢磨がある。テイクがなくてもギブがあるのが双方向にある。その結果のギブ&テイク。
それが刺激となるのかもしれない。
まあ。優しいばかりじゃないってこと(笑)
「うぬぬぬ、、、まだまだ修行します」
と若き担当者さんは言い、私は嬉々として笑う。
若者をいたぶって喜ぶ私を見て、夫は笑っていた。