きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

カマキリの君

多くのお子さんが苦手とする、この二学期。

 

台風あり、暑さあり、朝晩の気温差あり、

運動会、学習発表会、音楽会ありで、

ただでさえ、変化が嫌いで、見通しが立ちにくい子どもたちは、理解と納得が追いつく間もなく、周りの様子がドンドン変わっていきます。

 

息つく暇もなく、やることが次から次へとやってくると、オーバーヒートしてしまうのは、大人も同じですね。

 

そんな自分の状態を、上手く言葉で伝えられずに固まったり、イライラしたり、暴れたり、学校休みたい~とごねてしまったり。

そんなお子さんがおられたら、「どうしたのかな?」「何か困っているのかな?」と、優しく声をかけて見てください。

 

きっと、ハッとして、こちらを見上げるはずです。

 

優しく背中をさすってあげてください。

 

きっと、フゥ~っと緊張が解けて、

「あんなんイヤやねん」と口を開くと思います。

 

「そうか、そうか、イヤやったんやなぁ」と、受け止めて、その後に、「こんな風にしたら、きっと上手くできるよ」などと、ほんの少し勇気が出るような声かけをしてあげてください。

 

またちょっと、がんばってみようかなぁ・・・と、前を向き出すはずです。

 

最近、二学期になって学校にがんばって行きだしたお子さんは、その分疲れて、「療育なんか行きたくない!」と、しばしお休みをしていました。

 

一対一でなら、落ち着いて過ごせる質を持つお子さんは、時に複数の場所ができると混乱することがあります。

切り替えが苦手で理解に時間がかかったりします。

 

イヤがるからと言って、それがその子の本心かというと、そうとは限りません。

療育は、この先も、その子が困った時に必要になるはすです。

がんばって学校に行っている分、今はじっと様子を見守って、こちらもチャンスがやってくるのを待っていました。

 

さぁて、今日は来れるかな?

そう思案を巡らしていた時、部屋の隅から一匹のカマキリが現れました。

 

実は、今日来れるかな?と考えていたお子さんは、今カマキリに首ったけで、先日も私のところに大きなカマキリを持ってきてくれていました。

だけど、それはちゃんと持って帰っていたし・・・???

どうして?

 

そこで、気づきました。

これは、その子の化身。

きっと、今日はここに来れる。そう神様が教えてくれているんだと。

 

学校に再登校を果たし、体が慣れてきたことで一山越えたその子。

 

「やっぱり、これからも通いたくなったなぁ」

ですって。

 

その日、大喜びで新しく出逢ったカマキリと一緒に、元気に療育を受けて帰っていきました。

「居場所が増えたってことなんだね」と言って。

 

学校か、療育か。

どちらかだけでなくていいんだよ。