きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

夏の落とし子。

今年の夏は、昆虫で始まり、昆虫で終わりました。

 

我が家は後ろが山なので、色んな種類の虫たちが飛んできます。

夏の初め、仕事から帰ると玄関の前にカブトムシのオスがとまっていました。

仕事場の子どもたちに持っていこうかなぁ・・・。しばし考えて・・・。やっぱりやめました。その後のお世話のことを考えると大変ですし、子どもたちも夢中になって、やるべきことができなくなって・・・またお約束事が必要になって・・・ということが頭をよぎったからです。

 

なのに、またその2、3日後、仕事から帰ると、前とは別の大きさのカブトムシのオスがやはり家の前にいるのです。

これは・・・、やはり子どもたちに持っていけということなのか・・・。

半ば仕方なく、でもちょっぴりワクワクして、手掴みで拾って帰りました。

 

息子が小学生の頃、家には50匹を越えるカブトムシやクワガタを飼っていました。セミやカエル、亀やカナヘビ、などなど、たくさん飼っていましたが、また土まで入れて飼うのは久しぶりです。

 

仕事場に持っていくと、予想通り子どもたちは大喜び。特に好きな子は、知っている知識をどんどん教えてくれます。

ついでに、「うちの家のメスもあげようか~?」ということになって、断りきれず、譲ってもらうことになりました。勿論、「みんなのカブトムシ」として。

 

毎日カブトムシを持って家と仕事場の往復です。

嫌いだった子も、さすがに関心が湧いてきて、だんだん触れるようになりました。

写真を大きく引き伸ばして、体の構造の勉強もしました。この頃にはコクワガタも加わり・・・あ、これも勿論家の前で拾いました。

ある日は、このカブトムシのオスとメス、コクワガタを観察して絵を書く機会も設けました。

 

このカブトムシたちのお陰で、とても楽しい夏休みを過ごしさせてもらったので、そろそろこの三匹たちにも、自然に帰ってもらおうということになりました。

お名残惜しい気持ちもありましたが、一匹一匹にお礼を言って、どうか元気で長生きしてほしいなと願いました。

 

オスとメスがいたので、もしも、卵を産んでいたらとも思い、入れていたケースはしばらくそのままに。その内忙しさにかまけて、確かめることもできないまま日が過ぎていきました。

 

それから15日ほど経ったでしょうか。

昨日になって、卵がいたら、干からびているんしゃないかと やっぱり気になって、出勤前にふとケースを覗き込んだ時・・・。何か白いものがケースの隅に見えました。

 

「え?」

 

「もしや?」

「まさか?」

 

幼虫がいる~!

 

え?卵から孵るのって、こんなに速い?

 

衝撃的で、動揺して、感動して、さあどうしよう?と狼狽えたけど、もう時間がなくて、確かめられなくて・・・。とりあえず、ここは出勤優先、ということにしました。

 

でも、カブトムシは20個卵を産むと聞いていたけれど、見えたのはたった一匹。一人っ子ってこと、ある???

その事ばかり、気になって 頭をグルグル。

 

帰宅して、一息ついて、そーっとケースを覗いてみましたが、朝の幼虫も、土に潜ってみえません。

 

そーっと、そーっと、土を払いのけていくと・・・。

出るわ出るわ、大きいのや小さいの。

数えて19匹!

 

噂(?)は本当だったのか。

カブトムシのメスは、こんなにたくさんの卵を産んでいってくれてたのか、と森に帰っていった姿を思い出しながら感慨深いものがありました。

 

三匹が森に帰って行った時、すっかり家族の様になっていて、賑やかだった部屋もすっかり寂しくなったと感じていましたが、そんな日もつかの間、今度は19匹との大所帯生活が始まったようです。