きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

マーベリック 再び。

マーベリック。

そう言えば、大勢の方がトップガンだとすぐ分かるはず。

1986年公開の前作を見た人も、このマーベリックが初めての人も、きっと見た後は頭の中がトップガン一色になったはず。

レディー・ガガの主題歌も検索したはず。

 

私は前作をリアルタイムで見た派だけれど、その時は「トム・クルーズ、すごい。かっこいい~♪」くらいで終わったと思う。

それから30余年。まさか60歳になったトム・クルーズの続編が見られるとは思わなかった。

夏の初めに見に行った時は、オープニングで前作テーマ曲の「デンジャー・ゾーン」が使われていたことに妙に感激。何もかもが変わっていても、少し残念ですからね。ファンたちの気持ちをよく掴んでます。

とにかく、飛行シーンはすごく、息をつく暇もないほど。実際に出演者たちは訓練を受けて乗っていたようだから、想像を絶する。

絶対私は無理。頼まれるわけもないけど。

絵に描いたようなサクセスストーリーとハッピーエンドはやはり定番ではあるけれど、胸を熱くした。

私たちの年代にとっては、この手のアウトロー的なヒーロー物はこれでもかという程見てきたし、もうDNAに刻み込まれたのでは?と思えるほど浸透して、まさに血湧き肉躍る。

自分たちもまた年を重ね仕事では管理職になっている人が多い中、若手がITを使いこなして時代を感じても、私たちは困難な状況に直面しても自分の力で切り抜けるだけの気力とスキルと経験を持ち合わせている、現役だ、と、心の奥底で消えない情熱をもつ人もいるでしょう。

トム・クルーズの姿は、そんな炎を大きく燃やしてくれるようだ。

そんな「トップガン・マーベリック」。

ひょんな流れで昨日、初めてで見たいという息子の為に、前に一緒に見た夫と私は2度目の鑑賞をすることになった。

私が映画館で同じ映画をみるのは、今まででこれが初めて。それでもなんら抵抗はなかったし、逆にもう一度見ることができる期待と喜びの方が大きかった。

同じ映画を2度見るのが初めてだから、新鮮さはどうかと思ったけれど、そんな心配は全く無用。初めてかのようなドキドキ感で、始まるとすぐにストーリーに吸い込まれ、それにも驚いた。

1度目は初めてだったので、サラッと見てしまったカワサキのバイクや、トム所有らしいP-51マスタングという戦闘機をじっくり見るといった細かい見方をすることが今回はできた。

1度目に分からなかったセリフの意味や役どころ、演者の気持ちなども掘り下げながら見ることもできた。

Blu-rayなどで見るよりも、やっぱりスクリーンでもう一度見られるというのは格別。

話はクライマックスに近づき、マーベリックとルースターが敵地を高台から覗き、戦闘機を奪う為にかけ降りる・・・その時、突然画面が真っ暗になった。

「こんな場面あったっけ?」と考えることしばし。

どうもこれは、映写機の故障じゃない?

待ってて復活するのかしら?

待っても全然アナウンスもない。時間の無駄なので、夫が外の係員さんにこのことを告げに言った。

慌てて係の人が入り、天井にあった映写機を下ろし点検している。結構時間もかかり、それなら他の部屋に移動して見るとか、何か速い解決策はないのかな・・・などと考えてみたが案内はないので待つしかなかった。

そうこうするうちに何とか修復できたみたいで、数分分巻き戻し、再開された。

マーベリックの乗った戦闘機が打ち落とされ、敵機に見つかり絶体絶命!の場面から、またゆっくり見直せたのは、なんだかラッキーな気もする。

息子に無事、最後のエンドロールまで見せることができ、なんだかホッと安堵した。部屋を出ると、映写機の故障のお詫びとして2年後まで使える招待券を1人1枚もらえた。

止めることなく物語を見ることができなかったのは残念にも思うが、映画の途中で映写機が故障するなんてことそうそう出くわすハプニングではないし、巻き戻って見れ、招待券までもらう。これってとてもレア?いいネタになるなぁと思い、こうして書いている。

レイトショーだったので、人気のない館内を歩きながら今みた話の印象深かったところなどをめいめいに話しあった。

 

ところで、トップガン・マーベリックは本当に格好よく凄かった。

格好よかったけれど、それだけに、今の子どもたちが見て手放しに戦闘機に憧れるのではないかと懸念もする。

敵国を「ならずもの」と表現し、先制攻撃するところはアメリカがこれまでにしてきた戦争と重なり、アメリカ側からだけみて素直に受けとることはできないし、ただの1人も犠牲者は出さず、全員帰還するために全力で望むマーベリックは、敵機を射つことにためらいはしない。

母艦に着艦する場面やアクロバット飛行し敵機の第5世代戦闘機との空中戦の場面などはド迫力だけれど、もし今戦争が私たちの国にも起こり、召集され、その場にいたとしたら・・・、この映画のような「格好いい」で済むのかどうか。

トム・クルーズや、永遠の0の岡田くんのような俳優が演じていると憧れるが、これまで数々の戦争映画を見てきた立場としては、戦争をもっと知らない今の幼い子どもたちや若い男の子たちが、戦争を美化しなければいいけれど、と思うし、そういう目線でもこの映画を観ることを忘れてはならないのではないかと、最近、空港の近くに引っ越して航空機の離着陸の音だけで機種が分かるようになった息子と、子どもの頃から飛行機が大好きだった夫と共に帰途につきながら1人考えていた。