きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

スマスイ(須磨海浜水族館)が教えてくれるもの。

地球は人間の世界ではなかった。

「何しに来た」

大水槽のロウニンアジ三人(匹)衆に凄まれ、

そう思い知らされた。

ここは須磨海浜水族館。

入ってすぐ正面にある大水槽は、水族館が20年ぶりの私に、カルチャーショックを与えた。スマスイは、初めてではない。子どもが小さかった時や、妹が結婚した時にも来た。だから大水槽も初めてではない。ジンベイザメの泳ぐ海遊館の巨大水槽も見たことはある。

ではなぜ?

久しぶりというのはあるかもしれない。長く地上の世界ばかり見ていたから。記憶の中に水族館はあっても、それはあくまでも記憶の箱の中の感覚。実際に目の当たりにして、今、そこにある水槽の中の小さな海の世界にリアルな実感を持ってしまったのだろう。そして、私も、私という同じ人間だけれど、この長い年月の間に変化し知らない間に心のひだが増えていたのかもしれない。何か感性ともいうものが。

 

ロウニンアジとは、その迫力のある姿を、いかつい浪人武士に見立ててつけられた名前という説がある。アジの仲間なのに、鯛のように大きく、下顎を突き出し、ギョロリとした、冷めた目をしている。

その目で、刺すようにこちらを睨み付けてきたところと、目が合い体に電流が走った。

海の表面積は、地球の表面積の約70%を占めているそうだ。そしてその深さは圧倒的だ。いつもは見えないその世界に、私たちより遥かに大きい生物がうようよと生き、泳いでいる。私たちの知らない世界がある。

こんなこと、頭では分かっていることだが、今までは本当には分かっていなかったのかもしれない。

ここでは、魚たちが主。私たちは生身で向き合ったら負けてしまうな・・・。そう思った。

地球は、こうした私たちよりも遥かに大きく存在感のある生き物たちの住む星だ。勿論小さく可愛い生き物も。私たち人間の世界ではなかった。

 

須磨海浜水族館は、前身の須磨水族館の竣工から64年の歴史を持つ水族館だ。再整備プロジェクトを終え、2024年春に新しく生まれ変わる。

今はアマゾン館など、他の館は見ることができないが、本館だけでも充分楽染むことのできる水族館だ。

そして、大切な何かも教えてくれる。