日曜日。
霞んでいた空が、次第に晴れてゆく中、
私にとって、比叡山や高野山は、1度は行っておきたい場所だった。
明確な理由は分からないけれど、子供の頃から時代劇(も)好きだったからだと思う。
年表を覚えるのは大嫌いだし、複雑な歴史は難しく、全く歴女ではないけれど、仏像が好きな仏女ではあるし、神話だとか、土地が持つ歴史だとか、何か琴線にかかる事柄は無数に散らばっていて、それぞれがジグソーパズルのピースの様に、少しづつ周りのピースと結びついていき、適切な場所に収まっていく感覚が好きだ。
比叡山延暦寺や高野山もまた、私が埋めたいピースの一つなのだろう。
そんなパズルの様に、地味でいつ完成するとも分からない作業が好きなのだが、今回のように、ずっと漠然と、いつかは行ってみたいと思っている場所に、同時に夫も私も「行こう」と思えた日が一致したというのは、偶然の様でもあり必然なのかもしれない。
延暦寺は、伝教大師最澄が弘法大師と共に遣唐使として中国に渡り、仏教を学んだ後、帰国し天台宗を開く前に修行の道場として建てられたもの。元は一乗止観院といい、最澄が亡くなった後、延暦寺と名付けられた。
私が知っている延暦寺は、大勢の僧兵を率いて織田信長と争った、武蔵坊弁慶はその僧兵だった、そしてその時代は悪行を行う僧侶が多くいた、というくらいで、特に大勢の僧侶がいる、というイメージを持っていた。
その為、延暦寺に行くと、大勢の僧侶に会えるのではないか?という期待が一番大きかった。どうして悪行を働く僧侶がいたのか?も不思議に思っていた。
千日回峰行という過酷な修行が行われているということについても関心が深かった。
さあ、結局この日、何人の僧侶と出会う事ができたと思いますか?
結果は最後にご報告を。
比叡山へは、訳あって、枚方方面から地道を通り向かうこととなった。
伏見桃山城や醍醐寺の近くを通り、近江神宮の横を抜けると、やがて山中越を通り、田ノ谷峠を超えて比叡山ドライブウェイへ。
その先には夢見が丘展望台があり、ここからの眺めは素晴らしい。
空も街も湖も、水色のグラデーションの中にいて、煌めいていた。両側を紅葉した木々が立ち並び、うねる道を駆け上がった途端、目の前が開け、胸までスッと晴れるようだった。チラッと見えるススキと紅葉が、なんとも言えず遅がけの秋を醸し出している。
(ちびっこ広場もあります。念のため)
琵琶湖をこの角度から眺めるなんてことが私にも訪れるとは。