きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

素敵なカフェは学びがいっぱい。

ある日曜日。

私は淡路島にブラリ旅。

海岸線を車で走る。

ぼんやりとした目的地はモンキーセンター。

 

その前に。

そろそろお腹が空いてきたよ?ということで、

海鮮物を食べることができるお店を探した。

 

こういう時って、なかなかお店の前で止まれない。

いくつか迷い、通り越し、一軒のカフェにたどり着いた。

カフェだけど、レストラン。

建物も洋風だけど、メニューは和洋折衷。

いいかもね👍️

入ろうとして、気づいた。

ここは、就労継続支援B型事業所を兼ねている。

隣の工房では、作業をされている方たちがいた。

 

ドアを入ると、すぐに右にケーキが並んだケースが。

イチゴのショートケーキとモンブランが並んでいた。が、他所のそれらと少し違う。

なんだか、気になる。

美味しそうだ。

そして、少し進んだ左手には、テラス席があった。

ここはペット同伴の方用っぽい。

2階には眼下に広がる海を見ながら食べられる席があったようだけど、それには気づかず一階を選んだ。

お店の人が、ドアから案内してくれる。

とても、ハキハキとしていて礼儀正しい。

やや早口なので、所々私が聞き漏らしてしまうけど、1つ1つの説明が丁寧で、端々まできちんとしている。お辞儀1つとっても、ここは百貨店?と思うくらい、背を傾けている。

キビキビ、テキパキ。

物を指し示す手先も、綺麗に指を揃えられている。

ビシッ。

メニューの説明や、注意事項、私たちの意向を尋ねるセリフ。どれも文章としては長く量がある。それをやや早口だとしても、概ね聞き取れる発音で、流れるように言うには、例えルーティンになっていたとしても、かなりの練習が必要だろう。

だとすると、この方は、前職でもそういったお仕事をされていて、経験されていたか、このカフェに来てからルーティンになるほど繰り返されたか?のどちらかではないだろうか?

それでは、ルーティンになればここまで出来るということだろうか? いや、私なら出来ない。

だとすると、ルーティンになればここまで出来るだけの力をお持ちだということだろう。

 

注文したメニューは、2人ともこちら。

しらすが立派で味わい深い。丁度しらすが食べたいと思っていたのでうれしい。

たこも歯ごたえがなんともいえず良く、味付けも濃すぎず美味しかった。

食べながら店内が気になって少しキョロキョロ。

私たちが入ってからも、続々と車が🅿️に入ってくる。2階にどんどん上がっていく。

人気店だったようだ。

スタッフも、上へ下へと階段を移動し大忙し。お盆を持ったスタッフがなんとかすれ違えるだけの幅が階段にはある。

そこに、入店してから私たちに説明をしてくれているスタッフが上からお盆を持って下りようとしている。下からは別のスタッフがやはりお盆を持って上がってくる。さてどうなるか?

咄嗟に上からきたスタッフが一歩端に寄り立ち止まった。下から来たスタッフがすれ違う。すると、「失礼します」と上から来たスタッフの方が軽く会釈し、声をかけた。

無事に通りすぎたのを確認し、また下に下り出した。下に下り、くるりと後方に続くスペースを行くとお客様が立っている。スタッフは、歩くスピードを弱め、ややお盆を脇にずらし、そっとすり抜けながら「通ります。失礼します」と声をかける。

もう少し進むと厨房があり、その前で待つスタッフに対し「お願いします!」と声をかけ、丁寧にお盆を渡す。

そつがない。動きにも、言葉にも、タイミングにも。

暫く、その繰り返しの働きぶりを眺めさせてもらった。

この方は、利用者さんだろうか?それとも店長さんだろうか?他のスタッフとのやり取りを見ているが、分からなくなった。

食べ終わり、私は手洗い場へ行くことに。

ここは、手洗い場の向こうに厨房か、もしくは工房があるようで、作業している音や声が聞こえてきた。

かなり活気がある。でも私語はない。

ということは、聞こえる声や言葉は全て「はい」「お願いします」「失礼します」「通ります」「こちらです」といった仕事上の言葉だということになる。それは、仕事を円滑に進める為に大切なコミュニケーションに他ならない。

聞いていると、とても気持ちがよくなった。

主に仕事上のコミュニケーションの言葉だけで、これだけリズムとテンポのある、活気づいた空気を醸し出すことができるとは。

私は、夫を席に残していることを気にしながらも、しばらくそこを動けないでいた。

 

このカフェは、利用者さんと支援者さんが一緒になって働いている。

 

では、あのスタッフさんは?今でもわからない。

何度考えてもわからないくらい、皆さんが入り雑じっているということ。

もし、店長さんだったら?それはそれでまた凄い。だって、店長さんかどうかわからないくらい、腰が低くて丁寧だったから。お客さんにも、同僚のスタッフさんたちにも。

 

私は9月15日に「職人に学ぶ」という記事を書いた。

何を学んだかというと、コミュニケーションの大切さ。ミスや事故を起こさない為に、厳しいくらいの声の掛け合いが必要で、それを炎天下で行う職人としての職業意識は尊敬に値した。

そして、この活気があり、気持ちがいい空気感を出すカフェ。

 

両者に共通するものは、恐らく「教育」。

「教育の力」の可能性を感じた。

因みに。

モンブランタルトケーキは凄く美味しかった。