きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

こだわり崩し。自閉症の子を持つご両親たちへ。

お野菜は食べない。

白いご飯はふりかけ1袋分かけないと食べない。

同じ物を食べ続ける。

決まった服しか着てくれない。

服は決まった引き出しにしか入れてくれず模様替えができない。

スケジュールが変わると癇癪を起こす。

同じ手順に拘る。

お気に入りの席にしか座れない。

お気に入りのキャラクター、おもちゃがないと不安になる。

などなど、これは、自閉症のお子さんたちに多く見られる拘り行動の例です。

 

こういった行動に悩むご両親たちは多いことと思います。

 

お子さんが小さい時は、ご両親たちもまだ子育てに不慣れで、たくさん情報を取り入れてみるものの、お子さんがみせる拘り行動に、どう対処すればいいか毎日頭を悩ませながら過ごしておられたことでしょう。

 

まずは、まだ言葉も上手く使えない小さな子が、混乱し、泣き叫び、床にひっくり返っている現状から脱する為に、お互いに落ち着いて過ごす為に、子どもの要求を理解し、応えることから始められると思います。

ご飯が食べられないと、命に関わるから。食べられる物を。

裸では外にもいけないから、とにかく着てくれるものを。

スケジュールが分からないと不安になって泣いてしまうから、事前に一日の行動は全部絵カードも使って説明する。

説明したスケジュールが変更になると、パニックになるので、変更はしないように気をつける。

必ずお気に入りのキャラクターやおもちゃを持たせてあげる。

ここがあなたの席だと分かるように必ず同じ席で、同じマークをつけておく。

と、いう風に、とにかく子どもに寄り添い、落ち着いて生活する為にご両親たちは、神経をすり減らして対応されます。

 

自閉症の人たちは、パターンで生きておられます。同じ物、同じ行動、同じことの繰り返しを好むのです。

このパターンが守られ出して、段々お子さんにも生活のパターンが出来てきます。

子どもの要求に応えることで、子どもとの間に愛着形成もできだす頃です。

子どもは要求が叶えられて、大人は、味方だと理解すると、一緒に行動することもしやすくなります。

幼稚園でも、見通しを立て、子どもが「分かる」状態で物事を進めることが大事だと、教わるご両親も多いと思います。

藁をも掴む思いで、必死に毎日を過ごしながら、段々ご両親の中にも、子どもたちの拘りやパターンを守ってあげなくては・・・、この拘りやパターンはなくてはならないものだ!・・・と心や体に強く刻み込まれてゆきます。

 

お子さんが保育園や幼稚園に通う。それが児童発達支援センターなら、理解ある中で、ご両親も先生方から教えてもらいながら過ごすことができるでしょう。

そうでない場合、園の先生方に、ご両親から理解を得るために根気強く働きかけていかれると思います。かなり心身ともにエネルギーを消耗することです。

 

現在は自閉症や発達障がいといったものの認知が進んではいますが、まだまだ本当の理解には繋がっていないことが多く、対応を知らない先生方も多いのが現状ですね。

ご両親のご苦労は計り知れません。

 

こうして、働きかけた甲斐あって、保・幼稚園時代を、理解ある中で過ごせたとします。さあ、次は就学です。入学するに辺り、ご両親は入念なリサーチをされることでしょう。何度も小学校の先生方と会われ、相談し、理解していただくようお願いされると思います。我が子の特性、拘り、好き嫌い、ご両親の思いなどをお話され、スムーズな入学を、と願います。

出来れば、保・幼稚園時代に学び、身につけたノウハウを学校でも活かしてもらいたい、全ては「分かる」状態で進めて欲しい、と、願って当然ではないでしょうか。

 

 

ところが、小学校とは、イレギュラー満載の世界なのです。どんなに、「分かる」状態でお子さんが進めるように配慮がなされても、配慮が入り込めない出来事がたくさん起こるのが学校です。

 

それは、圧倒的に通うお子さんが多いこと。一斉授業だから。学ぶことの量が膨大だから。移動授業や、行事が多いから。などなど、その理由は複雑に絡み合って存在します。

 

その中で、いつも必ず同じ席、同じルーティン、同じ持ち物、というわけにはいかなくて、せっかく保・幼稚園時代に落ち着いて過ごせた我が子がまた落ち着かなくなった・・・という現象が起こり出します。

 

どうか、学校でも、幼稚園時代と同じだけの配慮を。

と、ここに実は落とし穴があるのです。

それは何か?

 

意外にも、多くのご両親がご存知ない事柄があります。

 

それを、次回は、ご説明したいと思います。

是非、良ければお目を通していただけるとありがたいです。