3月末で、これまで勤めていた療育施設の管理職、そして、子ども達の療育の計画や親御さんへの説明、進捗状況の把握、職員の育成などの責任者という役割を卒業しました。
それまで私を頼り、信頼して大切なお子さんを預けて下さっていた方々に、お一人お一人心を込めてご説明しお話したところ、誰一人怒る方はいらっしゃらず、皆さん涙しながらも、これからの私の活動を応援すると仰って下さいました。
施設や、療育の責任者を辞めるということで、親御さん達にご心配とご迷惑をおかけすることになるにも関わらず、本当に温かく受け入れて下さったことに心から感謝でした。
重度の自閉症のお子さんを持つお母さんほど、療育のあと、私と子どもたちの世界について話し合うのが楽しかった、それがあったから、生きてこられた、と言って下さり、私と友達としてこれからも繋がっていきたいとと、仰って下さいました。
職員の先生は、「友達じゃないんだから、それはできませんよね」と言っていましたが、療育者にとって、これほど嬉しい言葉はありませんでした。
療育者冥利に尽きるとは、このことだなと、しみじみと思いました。
4月からは、療育アドバイザーとして活動を始めています。
施設で、職員の皆さんが子どもたちと関わる場面に立ち会い、声のかけ方や接し方、sstの行い方、子どもの心理状態、愛着形成の仕方、療育内容、子ども同士の関係の作り方、保護者や関係機関との関係の作り方などをアドバイスしています。
また、個別で予約をいただいて、保護者の方のお悩みを伺いアドバイスをします。
研修会などへも出向きます。
私は、発達障がいを持つ子どもの子育てを通して、発達障がいの子ども達の、発達段階における様々な問題や壁、それへの対応方法、学校や先生方との関係の結び方、母親の気持ちや家族の苦悩を学んできました。
学校の現場では、実際の授業に入り、何百人ものお子さんを支援する中で、お子さん達が学校で、学級で、どのような姿で過ごし、どのような問題が起こり困っているかを知っています。また、先生がどのように困っておられるかを理解しています。お母さん方がどうすれば学校に我が子の困り感を知ってもらえるか、頭を悩まし、心を砕いておられるかを知っています。そして、それらの解決方法も知っています。
子育てや学校での経験を全て注ぎ込んで行ってきた療育でも、たくさんの親子さんと出逢い、改善に導いてきました。
何より、自閉症やADHDなどの発達障がいを持つ子どもたちの豊かな精神世界が大好きです。
そんな、発達障がいに全身全霊で向き合った半生を通して身につけた経験やスキルを、この先の人生でも、ゆっくりとしたペースでも良いので、療育アドバイザーとして、悩めるご両親やお子さんのために役立てることができれば幸せだなと考えています。
大きく流れが変わり、私の人生も、また新たな幕が上がりました。
新しい出逢いが、チラチラ見えています。