きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

なぜ、音読ができないか!?

何にでも、理由はあります。

勿論、音読が上手くできないことにも。

 

例えば、目の前のスマホを取ろうとする時、どれくらいの行動が必要でしょうか?

ただ、手で取るだけ?

いえいえ、実は多くの行動が関係しています。

スマホを取ろうと考える                                         

スマホを見る。                                                         

③手を動かそうと考える。                                         

④手を動かす。                                                         

スマホとの距離を測る。                                       

⑥手の平や指を広げる。                                           

スマホを落とさないようにソッと掴む。             

スマホを持ち上げ引き寄せる。

とまあ、こんな風に細かく分けることができます。   行動を細かく分けたうちの1つを単位と呼びます。

 

では、音読をする時に必要な行動はどれくらいあるのでしょうか?

まずは教科書なら、

①教科書を持つ。                                                     

②読み始めの文字を見る                                         

③一文字一文字目で追う。                                     

④声に出す。

と、単純に考えるとこんな風になるでしょうか。

この4つだけでいいのなら、音読ってとても簡単そうですね。

子どもたちは、一体どこでつまづいているのでしょうか?

そう、この、行動を細かく分けた内の、「どこで」つまづいているのか?と考えることが大切なのです。

①は、手に持つ、だから、しっかり指に力を入れて持ったり机に手首を当てて固定しバランスを保つことができるかどうか。指や腕の力が弱くては、そもそも本をしっかり見易い角度にしておくことはできません。本がゆらゆらすると、読む場所が分からなくやりやすいですよね。

②は読み始めの文字を、ページに並ぶたくさんの文字の中から探し出さなくてはいけません。しかも、どこを読んでいたか覚えていることも必要になります。物語などの始めならいいですが、文末から、次の文の始めに行が変わった時、また目で文頭を探さないといけないし、それにはさっき読んだ内容を覚えて、続きを予測できないといけません。

③は、目を下に下げながら一文字一文字読むスピードと合わせてスライドさせないといけません。もし、このスライドをしている最中に、目が横に動いて、行が飛んでしまうと、読んでいるところが変わってしまいます。

滑らかに読めるようになると分かるかもしれませんが、私たちは、本当は一文字一文字は読んでいません。ある程度単語を知っていて予測ができるので、一区切りの単語は、スルッと一塊にして見ています。一塊にして見ながらも、語尾が変わっているところなどは、しっかり見て確認して読んでいます。この、スルッと一塊にして見ながらも語尾の違いなどを確認できるだけのスピードで、目が滑らかに文字を追えないと、たちまちぎこちなく、読み間違いが起こります。一文字一文字区切って読むことにもなるでしょう。

単語を知らないということは、意味を理解して読んでいないということになるので、やはりひたすらに50音としての平仮名を一文字一文字読むことになるでしょう。

一塊の単語として読む為には、文章を文節で分ける力が必要になります。文節で分けることが出来なければ、分かれ目がハッキリしないので、変なところで区切って読むということになってしまいます。

これらのどこでつまづいているか。それを見極めてあげる必要があります。

 

目で追う力はビジョントレーニング。

文節で区切る為には単語を学ぶ。

文節と文節の間に/を入れる。入れる練習をする。

改行したとき、行を間違えない為には短期記憶を鍛える。

といった練習をしていくと、音読が変わってきます。