きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

目からビーム、出たことありますか?

療育は、観察することから始まります。

まずは、「こんにちは」と挨拶をしたところから。挨拶は挨拶にしてならず。相手に最初のインスピレーションを与える大切な瞬間です。どんな人だと思われたかな?緊張したかな?こちらの歓迎の気持ちは受け入れられたかな?などと体の動きや表情の小さな小さな変化を見逃しません。

挨拶は、愛着形成できる重要な瞬間です。

そして、目線はどこを見てるかな?

目線にはその後の動向が表れます。目線さえしっかり見ていれば、その子の気持ちまで手に取るように分かります。そして特性も。

目的の物に向かって走り出したら、その足の動かしかたや手の振り方、スピード、周りを見れているか?というような事を観察します。

慣れてきたら他者への自分の意向の表し方はどうするか?思い通りにいかない時はどうするか?などなど、ずっと観察です。

 

他のお子さんたちもいる場合、どこを優先的に介入すべきか、全体をぐるっと一周見渡しただけで判断しないと手遅れになることがあります。転けたりケンカしたり食べたり・・・(笑)

 

一瞬見て判断できれば、療育する者として こんな楽なことはありません。それだけ早く介入できるとトラブルを回避できます。私たちも子どもたちも楽になります。

ある日、私が次の日休みになるので、職員が

「どうやったらトラブルを防げますか」と尋ねてきました。

「観察することだよ」と伝えました。

「見てるんですけどねぇ」と職員。

「見てるだけではねぇ」と私。

「どうしたらトラブルの種に気づけますか」と職員。

「部屋の端に立って、隅々まで速く目を動かしてくまなく見る。その時、目からビームを出す感じで。」

「ビームですか?」

「そう、ビーム」

「サーチライトで探す感じ。

「はぁ・・・サーチライトで・・・」と呆れ顔の職員。

まあ、騙されたと思ってやってみて。と言い残して、休日を迎える、ということを何度か繰り返したある日。休み明けに出勤すると、その職員が喜び勇んで私の元へ。

「先生!出ました!出ました!」

「何が出たの?」

「目からビームが出ました!」

「ほぅ!出ましたか(笑)」

「はい、出ました!」「そしたら、介入すべきところをすぐに見つけることができました!それに、その1日のことを、しっかり覚えておくこともできました!」「目からビームを出すイメージで見るとできました!!」

と、いう報告でした。

 

ね?目からビームって出るんです。

子どもの頃、大好きなデビルマンが目からビームを出して隠れた悪魔を探す〈デビルアイ〉というものを使っていました。光が当たると隠れていても見えるのです。デビルマンも、その時、目をしっかり見開いていました。

マジンガーZも、目から光子力ビームを出しました。これは敵を倒す為ですけどね。

 

「記憶力の鍛え方」でも書きましたが、目を5割増しくらいにしっかり開くということは、脳が活性化しますから、目に映った物が、見えているだけではなくて、しっかり判断も伴う「観る」ことに繋がります。目に映ったことを脳が思考して判断するスピードが上がるということは、性能が上がることを意味します。

観察する力のある目(眼)を観察眼といいます。

良い観察眼を持つことは、良い療育に繋がります。

 

だけど、この観察眼、療育のみならず。

生活でも活かされますよ。例えばクルマの運転。曲がり角を曲がるとき、他の道路からクルマが来ないか、パッ!!っと見ただけで瞬時に的確に判断できれば事故も減ります。実は私はこの練習も日頃から運転中にしています。この時はカシャ!と目のカメラで撮るイメージですけどね。

失くし物を探す時にも使えます。私は失くし物探しの名人です。みんなが見つからないと諦めた物をよく見つけます。この時も目からビームを出して探します。

 

目からビームを出そうと思ったら、目に少しは力が入るでしょうから、当然、「目力がある」という状態になります。目力のある人と目があったら、皆さんはいかがですか?その人のこと、印象深くならないですか?

目力が強い人は、自分から何かを探したり覚えたりすることに長けますが、空間認知の力を使って他者からの目線で考えると、人からも見つけてもらえ、覚えてもらいやすい、ということになりますよ。

他の職種のお仕事にも通じることでしょう。

 

子どもの頃に大好きだったデビルマンが、今でも私の中で活躍しています。