きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

AIの神様・・・? ショートショート(的)物語。

皆さんは、超短編小説 ショートショートの神様、星新一さんをご存知ですか?

小説家でSF作家でもあるこの方は、大正生まれで1997年に亡くなられるまでに1001編ものショートショートを発表し、ショートショートの神様と呼ばれています。

作品は星新一さんが40〜50才代だった、1960〜1970年代にかけ、主に書かれていますが、その頃と言えばちょうど高度経済成長期に当たり、手塚治虫さんや松本零士さんなど未来を予言するかのような作品が多く生まれた時代でした。「未来」と聞くと、希望に満ち溢れる時代でもありながら、第二次世界大戦の影響もまだ濃く残り、冷戦真っ只中という時代でもありました。だから、「未来」は決して希望に溢れているだけでなく、経済成長の陰で自然破壊や機械化が進むということは、地球や人類の破滅に向かってしまうのではないか?という恐れも強く持っていた時代であったかもしれません。手塚治虫さんの鉄腕アトム松本零士さんの銀河鉄道999などはそんな時代に生まれ、子どもの頃の私に未来に対する希望や憧れと同時に、なんとも言えない切なさを強く感じさせていました。

そんな時代の中で、星新一さんが書くSFはシンプルで分かりやすく、どこかユーモアがあり、その表紙絵の影響もあってか、一見子どもでも読めそうな可愛らしさがあります。

    

 そしてそのどれもが、予想もしない、頭をガン!と殴られたようなひねりのあるオチが来るのが特徴です。

それは、松本零士さんが書いた、私が大好きな銀河鉄道999で、メーテルを信じて機械帝国に機械の体を求めて旅をしてきた鉄郎が、最後はメーテルが女王プロメシュームの娘だと知った時や、機械帝国を強化させるための部品として若者を集めるために一緒に旅をしていたことや、鉄郎との旅もまた同じであったこと、しかし本当はその機械帝国を崩壊させるための同志を集めるためだった、と判明したときのショックと似ています。

軽快な短編小説でありながら、そのラストに、999で受ける衝撃に似た奈落の底に落ちる感を纏っているところが、この星新一さんの作品の魅力でしょうか。

 

私はこのショートショートに20代で出会うのですが、その物語の軽快さから、すぐに虜になってしまい、次から次へと読んでいました。最近それを見つけまして、数えると44冊ありました。1冊のなかに、20〜30編ほど入っているとしたら、その1001篇の内の大部分は読んでいると思います。

 

これらの作品を読むとき、私が自分に課せていたことが一つありました。

それは、読み始めの時点ですぐオチを想像する、ということでした。

物語の冒頭部分で、咄嗟に予想したオチが、読み終わった時に合っていたかどうか、答え合わせをするのです。一人で。

そうすることで、推理する力を鍛えようと思ったのだと思います。星新一さんの作品はひねりが効いているので、頭を柔らかくして、発想豊かになるにはもってこいだと思ったのです。

それをおそらく1000回近く繰り返したとすれば、そんな事くらいで〜と思われるかもしれませんが、案外力になっているかもしれません。

いや、実際に、今の私は、この星新一さんの本を推理したことによって、物事を色んな角度から見て、考え推理する、という力が鍛えられ、ずいぶん備わったのではないかと思っているのです。

 

さてさて、そんな私は、普段知人や夫と会話している中でも、「もし、〜だったら?」「ああだったら?」と話していると、話があらぬ方へ展開していってしまう時があります。アイデアがどんどん湧いてくるのです。

いつの間にか私の発想は星さんのショートショート的になっているようです。

ここからは、星さんのようにはいきませんが、そのショートショート的なお話として、是非、オチを予想しながら最後まで読んでみてください。

 

 

先日のこと。

前回の「AIへの関心を自閉症の子どもたちへ。。」同様、レストランで、またまた夫とAIについて論議していた時でした(論議が趣味の二人 笑)。

 

夫「僕は、世の中の雑多な仕事はどんどんAIに任せて効率化するといいと思うんだよね。」

私「AI 、AIって言うけどさあ、それって私たち人間のする仕事がなくなってしまうってことだよぉ?自分の首を締めることになるって、人間は分かってる〜?」

夫「人間は、ゆっくり他のことに時間を使えるようになるよ。ご飯も機械が作って出してくれたらいいなあ」

私「え〜、じゃあ、人間は家でゆっくりソファに座ったり寝転がったりしていたら、壁からチン!っていって、ご飯が自動的に出てくるようになるってわけ?(よくアニメにあったな)」

夫「あぁ〜!いいねえ」「その内、仕事だって書類を作るのに、自分でパチパチパソコン打たなくても、AIに、〇〇作ってって指示すれば作ってくれるようになるんだよ」

私「じゃあ、パソコン打つ必要もなくなるやん。アレクサみたいに話しかければ起動してくれるんだから、文字すら入れなくてもいいようになるんじゃないの?」「それって認知症になっちゃうんじゃない?みんな若くして。」

夫「そうだ!人間の代わりに、仕事も身の回りも全て効率化でA Iがしてくれるようになるには、それだけのAIを作らないといけないわけだから、人間はAI搭載の機械やロボットを作るAIを設計したり、その機械のモデルを作ったりするところで、しばらくは働く需要ができるんじゃないかな?」

私「どんどん身の回りにロボットが増えてロボットだらけになるってこと?」

夫「そうだねえ」

私「そんなの、怖すぎる〜」「それに、いつかはロボットも満ち足りて、需要がなくなるじゃない。」

夫「そしたら、故障した時の修理に回ればいいさ」

私「修理だって、 A Iができるようになるでしょ。そんな時は」「他に、人間じゃなきゃできない仕事って何かな?」「福祉かな?」

夫「でも今はAIが感情も学んでいくことができるかもしれないから、その分野だってAIでいいかもね」

私「介護ロボットとかあるもんな。(あざらしのパロちゃんとかも)」「じゃあ、全然人間いらんやん」「なんだかそれって、似たようなことを、昔散々言われてたような気がするぞ?」

「機械に世界が乗っ取られるんじゃん」「星新一松本零士の世界やん」

夫「そうなん?(夫はその時代のことを知りません)」

私「うん。今から50年や40年も前の時代に手塚治や松本零士星新一が、既に今あるような世界を想像して、、、

 

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