きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

名前って、そんな簡単でいいの?

今の夫とは再婚です。

夫は、私より二回り近く年が下なので、息子や娘と歳が近く、その差は10歳以内です。

それでも二人はこの年の近い私の夫に、今ではすっかり懐いてしまい、息子などは夫が大好きな模様です。

幼少期から「昆虫博士」「生き物博士」「鉱物博士」などと呼ばれて育った息子にしてみれば、分野は違えども、いや、分野が違うからこそ、自分とは違う世界を、自分よりも幅広く世界を知っている夫に対して憧憬の念を抱いているのでしょう。

最近、その息子と娘が、それぞれ別に、私に対して「苗字を変えたい」と訴えてくるようになりました。二人は申し合わせてなんかいません。なのに、同時期に同じ相談を受け、私は正直どうしたものかと答えが見つからず、なんとかむにゃむにゃ。。。とごまかして一旦保留にしていました。

 

二人の言い分はこうです。

「〇〇さん(私の夫)の姓になりたい。」

「もう今の姓に飽きた」

 

いや、飽きたと言われましても。。。なんです。

 

私が前夫と離婚するとき、二人は小学生でしたけれど、慎重に聞いたんですよ。

「ママは旧姓の〇〇になろうと思うけど、あなたたちはどうしたい?」と。

二人はすぐに「今のままがいい」と答えたのです。

当たり前と言えば当たり前ですよね。それが自分たちの生まれた時からの名前なのですから。

 

私は、その後の仕事を始めることなども考えて、キリがいい、この節目に旧姓に戻しておきたかったのですが、二人の将来を考えた時、母親と苗字が違うことで色々とややこしいこと(例えば、結婚式で親と苗字が違うことに引目を感じるとか)が予想もされたので、大人の勝手で多大なる迷惑を被る二人の気持ちを優先して、親子で前夫と同じ姓を使うことに決めたのでした。

この場合、前夫とは同じ姓を名乗るけれども、前夫とは別の戸籍なので、別の〇〇さん、ということになるのです。そして、それには家裁の決定が必要です。

面倒臭いし、家裁だなんて勿論行ったこともないので気が重かったのですが、そこは我が子のため、と腹を括って行きましたとも。

 

それからかれこれ10年余り。

私は今の夫と出逢い、再婚することになったのですが・・・。

息子と娘にはそれぞれ、別のタイミングでそのことをカミングアウトすることになります。

「再婚するんだけれど」

娘は、

「え?あ、そう。いいんじゃない?おめでとう!」

あまりにあっさり受け入れられて、拍子抜けでした。

「ママ、苦労してきたから。幸せになってね」

こういう時、同性というものは、有り難いものだな・・・とつくづく感じました。

 

息子はというと、

少々難しい時期で、本人自身が絶不調だったこともあり、非常にタイミングが難しく、少し伝えるのが遅くなりましたが・・・。

ある日、喧嘩を売られ、その勢いで

「再婚するから」

と伝えることに。

「は?」

息子は明らかに狼狽えを見せていましたね。

そこから彼が、母親の再婚に対して心を閉ざして親子間氷河期が再来し、そしてまた融解するまで少々時間と忍耐は必要でしたが、それも今となっては結束に必要な時間であったと懐かしくもあります。

シチュエーションに違いはあるけれども、性差によって、母親の再婚に対してこれだけの反応の違いが出ることは、予想はしていましたが、改めて男の子にとっては、なかなかに受け入れがたいことなのだろうと実感しました。

 

私も同じ経験をしてきたので(母親の再婚)、彼らの気持ちはどちらもよく分かりました。私は母にすぐ「お父さんと呼びなさい」と言われましたが、大嫌いな父であっても、私に父は一人、今日から違う人を父と呼べと言われても、という頑なな気持ちが強く、対外的には義父とは言っても、普段は愛称で呼んでいます。勿論嫌いではありません。なので、息子にとっても時間が解決してくれるな、と。

 

さて、そんな中、息子と娘にも姓をどうするか問題がまたやって来るわけでして。

私と一緒に今の夫の姓になるかどうかとそれぞれに尋ねました。

「一緒の姓を名乗りますか?」

 

二人は「いえ、今のままで」と即答でした。成人ですしね。そうだよね。

 

と、思っていたんですよ。この2年間。

なのに。最近になって、

「飽きた」って・・・。

 

でも昨日になって分かったんです。

 

二人とも、本当は結構真剣に姓を変えたいと思っていたことが。

「初めは茶化して言うしかないやん〜」だそうです。

 

この10年余り、二人はそれぞれ私の前夫、自分たちの実父とは自由に行き来ができていましたが、それにより、とっても嫌になってしまったらしいのです。父と同じ姓が。

 

そして、母である私や、すっかり懐いた今の夫と同じ姓になりたい!いいやん、家族なんだから、という気持ちになったことは、おかしなことではありません。それどころか、そんな気持ちになってくれたことはとっても喜ばしいことですが、そうなんですが〜。

よぉぉく考えよう。それからでもいいじゃない。後でやっぱり飽きたって言っても戻れなかったらどうする?法律とか、相続とか、色々調べて、本当にそれでもいいと思ってからにしようよ。と説明したところ・・・。

 

何やら二人で相談を始めました。

「もし、ママと同じ名前がダメなんだったらぁ、じゃあ、ママの旧姓になるのは?」

「あ、それか、ママの義父の姓もあるよね!」

「それか、それか、ママの妹(既婚)の姓は?」

「えっと、ママのもう一人の兄弟の名前はなんだっけ?」

 

あの、君たち、自由なの?たくさん選択肢があるんだね(苦笑)

世代の違いなの???

 

「あ、ママ、ついでに私、下の名前も変えたい!」

「生まれ直すので、良い名前をつけて下さい!」

「同じ名前が多すぎて嫌なんよ。友達の中にもあと2人いるんやから」

 

わかるけど・・・。

 

もうちょっと、よく考えよっか・・・。