きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

砂の城。

天気予報では、1日晴れマーク。

これなら公園に行けるなぁ、と前日に決断。保護者に連絡して翌日土曜日に「いざ、出発!」。

遊具もあるしグランドもあるその公園は、周りの木々が色づいていて、紅葉も見ることができたから、それが私にとっては丁度良かったなぁと満足。子どもたちが見てくれていたかどうかは分からないけどね。

 

さてさて、お弁当も食べたし、ルールをしっかり説明して、「さあ、遊んどいで」。

意外なことに、その日の参加者の半分が砂場に集結した。え?遊具やボールじゃないの?

1人を除いて他は5、6年生のその集団は、嬉々として砂で山を作り始めた。

最初は素手で。その内気づくといつの間にか、銘々その手に大きな石を持って掘っている。トンネルだ。しかしどこからその石持ってきたの???お願いだから、その石でケンカしないでね((( ;゚Д゚)))

凄い勢いでトンネルを掘って掘って、やれ、山を固めるのに水がいるだ、道を作れだと盛り上がっている。これは、土木工事だねぇ。自然と指揮を取るものや作業するものに分かれてるよ。一致団結。みんなの目が、なんだか命の輝き✨とばかりに光っている。ウハウハ笑っている。

砂の感触、指からサラサラと溢れ落ちたり、握った時のギシギシ感。そういったものを感じて脳が喜んでいる!!という感じ。脳がそういった感触を求めているんだねぇ~。感覚統合だね~。しかし、6年生ですけど、そんなに砂遊び楽しいですか・・・などと、私はその様子を冷めた目で見守る(笑)

 

そこで、他の子の様子を見る為に、他の先生にその場は任せて、ほんの束の間そこを離れた。この一瞬の間に、大どんでん返しで、揉めませんように、と願いながらまたUターンして砂場へと急ぐ。前からまた違う先生が焦りながら駆け寄る。

「なんだか砂場が不穏な空気なんですけど・・・」

あぁ、やっぱり。漬け物石がいなくなった途端、君たちはケンカしてしまうのね。すぐさま持っていた石をさりげなく回収。見えないところに撤去。小石も手放させた。

「ねぇねぇ、どうしたの?ふむふむ、山を崩そうとしたと決めつけられた?君たちそうなの?」などとまた状況を聞く。

両者の言い分を今回はイーブンにして、さあ、仕切り直し。まだまだ砂で遊びたいらしい。

不穏な空気も、少しずつ消え、今度はみんなで更なる野望。

「自分たちの背丈くらいある山を作るぞ!」

「オー!!!」

やれやれ。

 

たかが砂の山。

されど砂の山。

 

この男の子たちの目には、さぞかし魅力的な「砂の城」に映っていることだろう。

しかし、そこは砂の城

儚くて脆い。