きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

歩く歩く歩く②

4日は少し足を伸ばしてどこか正月休みらしいことができたらいいなぁと考えていた。

 

「いつも忙しくしている夫が行きたいところ」

それが、出かけることにかけては欲の無い私の今回の行きたいところなのだけれど、夫が見つけた行先は、JR福知山線廃線敷をハイキングがてら歩く、というものだった。

 

夫は東海地方出身で関西に来て約7年なのに、私が知らないところもよく知っていて、この廃線敷にはすでに2回ほど行ったことがあるらしい。

私はというと、実は小学生のころの数年、出発点の駅から歩いてすぐの学校に通っていたことがある。が、廃線敷を歩いたことは無い。

なぜ無いか?

一つには、生瀬駅武田尾駅区間が現在の新線に切り替えられたのが1986年。私がその地域に住んでいたころはまだ国鉄時代で廃線されておらず、旧線を赤いディーゼル機関車が走っていたから。

私は生瀬大橋の麓、惣川地区に住んでいた。すぐ横に線路があり、生瀬に向かって宝塚から走る赤いディーゼル機関車が、長く連なる貨車を引いて走っていた。

物干し竿は、いつも拭かないと黒く煤けると母がよく言っていたのを思い出すのだが、この頃もまだこの機関車からは煙と煤が出ていたのだろうか。

私はその赤いディーゼル機関車を見ては後に続く貨車の数を数えて遊んでいた。

 

もう一つの理由としては、引っ越してからというもの、生瀬方面に行く機会が長くなかったからだろう。

 

無人生瀬駅自体、私は朧げにしか覚えていなかった。

が、生瀬は私の大好きな思い出がたくさんある場所でもある。わくわくした気持ちも大いにあった。

その反面、同じくらい大きな不安がよぎっていた。

なぜなら、廃線敷には計6つのトンネルがあるからだ。

319m、413m、149m、306m、147m、91m。

一つ一つが結構長い。そして、まったくの明かりなし。

懐中電灯が無いなら行かないほうがいい、と行った人の記事にも書いてある。

真夏ならまだしも、正月から肝試し?

私は怖いのが苦手だ。

それが私のテンションがだだ下がりの理由。

しかもすでに13時を過ぎている。

今から行ってもスタート地点から片道4、7㎞。時間にして3時間弱。下手をすれば夕暮れに差し掛かる。

夫は気軽にトンネルもスマホのライトできっと大丈夫だよ~♪と言っている。

 

そんな訳ないよっ!

私には悲壮感しかない。

夫を説得して生瀬駅前のミニコープで懐中電灯を一つ買った。

これでまず一安心。あとは野となれ山となれ。

 

さぁて。

どんより雲が近づいてくるけど、行くとするかっ(笑)

この地図が頼りです。

国道を外れ、寂しい道を行くのは勇気がいるけど、一歩足を踏み入れれば絶景で、すぐに来て良かった!!と思えた。

寒くて曇り空の正月4日目だけど、意外と若い女性同士や恋人同士も来ていて、そうなんだあと一安心。

 

ここで気づくのが、この辺りは岩山なんだな、ということ

白い肌の岩がやたらと転がっている。

 

岩、機関車、貨物列車、空き地、、、

ここで一つ、記憶にずっと残っていることに説明のつくことが分かった。

 

私がこの地域に住んでいたころ、英語に習字にそろばんにと習い事を掛け持ちしていた。そろばんなどは週に2日。今では珍しくもないことだろうが、あの頃の私は嫌で仕方がなかった。英語とそろばんが重なっている日などは、親に内緒でそろばんはサボって、その後の英語だけ行っていた時期があった。

その時決まって友達と二人遊んでいた場所がある。

前もって言っておきますが、私たちは昭和ガール。

遊んでいたのは今のJR宝塚駅から国道沿いに生瀬方面にやや進んだ辺り。今では建物がびっしり立っているが、昔は大きな空き地が広がっていて、フェンスに囲まれたその中にはたくさんの大きな大きな岩がごろごろと無造作に置かれ、積まれていて、私たちはそのフェンスの開いているところから入り、岩から岩へ、飛び回りながら遊んでいた。

時には人形なんかも持ち寄って、岩場の隙間を家にして人形ごっこまでしていた。

秋にはフェンスに蓑虫がたくさんぶら下がり、その蓑を剥いては中にいる可愛い黒い芋虫さんと戯れていた。

 

なぜあの場所に、あれだけ多くの岩が置かれていたのか。長年(42年)の謎だった。

 

これは帰ってから知ったことだが、生瀬大橋辺りには砕石場があり、奥の山を切り崩して、あの貨物車で運んでいたのだそうな。私が住んでいた辺りに今は無いが惣川駅という名の駅があり、それは貨物専用駅として設置された駅だったようだ。山陽新幹線工事にも大量の砕石が運び出されたらしい。

私が遊んでいた岩たちには、そんな謂れがあったのだ。

 

それにしても川ぎりぎり。

足元には、枕木が今でも並んで埋まり残っている。

 

竜宮城のような形の横穴があるよ。

 

さて、いよいよトンネル出現。

 

これはだいぶ進んだところ。

中は本当の真っ暗闇!

試しにスマホのライトも試してみたけれど、まったく光量が足りません!

行かれる方は必ず懐中電灯を。

草木のアーチがまるでトンネル。

 

かなり、足元が悪い。枕木も朽ちているし、バラストがあるから。

しっかり足元見て歩かないとけつまづきそう。

靴底が厚い山歩き用がいいかも。

 

しかし、景色はこのとおり。

桜や紅葉の時期が最高でしょう。

夫の実家に向かう時、清流沿いを汽車が走り、その光景に目を奪われたことがあった。ここはどことなくその時の風景に似ている気がする。

 

いくつかトンネルを抜けながら感じたのだけれど、真っ暗で何も見えないトンネルの中から見える外の風景は、まるで切り取られた絵画の様に、何割も増して美しく見える。

はてなブロガーの有屋さんがよく載せておられる、ご自宅の部屋の窓からお庭を写している写真のようだなと。有屋さんは、何もほかに無い場所から景色を見る、ということを大変大切にされている。仰っていることってこういうことかも、なんて思いながら、自然の繊細な美しさにうっとり。

ここは、繊細さと豪快さが交互にやってくるなあ。

鉄橋もいいですね。

しっかりした橋なので安心。

 

おお。

うおお。

ほおおお。

なんともいえない。この風景。

おそらく、桜の季節は見事でしょう。

でもこの時期の、荒涼さもまた大好きなのです。

あれ?

1.3+5.5=、、、

4.7じゃないぞ?

トンネルの向こうに見える2人の影が素敵。

そうそう。

トンネルの中にはこうもりもいるとか(怖)

小さくゴール地点の食事処「畑熊商店」さんが見えてきました。

鹿肉や牡丹鍋もあるみたい。カレーや串カツも美味しそう。

だけど、お支払いは現金のみ。

用意してお出かけください。

 

武田尾駅からは電車に乗って生瀬駅まで帰ります。

この駅!なんか独特。

 

もうね。足が壊れました。

 

でも、今度は武田尾から下ってもいいかも♪

なんてね。