きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

きらめき療育論: 全幅の信頼を置ける人が学校には必要なのだ。

全幅の信頼を置ける人が一人学校にいてくれたら、きっと、それだけである一定数の不登校児は学校に行けるようになるだろう。

なぜなら、不適応を起こしている子供にとって、学校は危険地帯としか思えていないからだ。

だけど、たった一人でも全幅の信頼を置ける人がいて、待っていてくれる、玄関にいてくれる、困った時そばにいてくれる、そう思えたら・・・・・、「学校休みたいな」という気持ちに押しつぶされそうになった時、その人の顔が思い浮かんだら、その人がいるから安心、やっぱり行ってみよう、そう思ってまた学校に行けるのではないだろうか。

どの学校でも、先生方は努力している。なんとか不登校の子どもたちがまた通えるように、新たな不登校児を出さないように、頭を捻って考えていると思う。

だけど、上手く行かないところがあるとすれば、それはどこかで大切なポイントを落としてしまっているのだ。

落としてしまっているから、学校が危険地帯に見える子どもたちは、やっぱり怖い!!と不安と恐怖を感じて行けなくなってしまうのだろう。

 

では、

①全幅の信頼を置ける人とはどういう人だろう?

 

②どうして危険地帯なのか?

 

③学校ではどう対処してあげればいいのだろうか?

 

そこを理解していないと、子供たちから全幅の信頼を置いてもらえる存在にはなれない。

 

このことを知っていれば、不登校の子供たちと一緒に親御さんが必死に家から出て、学校にやっとの思いで登校させて繋いでいるのに、みすみす、すぐまた不登校に戻してしまうということにはならない。

 

まず、①の、『全幅の信頼を置ける人』とはどういう人か?

について触れておくと、それは

『その子供の心のSOSを誰よりも速くキャッチし、傍にいてくれる人』

ということになる。いわゆる安全基地だ。

ではその心のSOSとはどういう時に発せられるか?というと、それは②の学校が危険地帯にしか見えない理由と絡んでいくことになる。

SOSをキャッチする、とはこうして読むと以外に「ふむふむ、それなら簡単に出来そうだ」と思う人がいるかもしれない。「後から思い返せばあれはSOSだったな」というのだって、ある意味キャッチしたことにはなるだろうと思う。大きな声でギャーと子供が言えばハッと気づいて対処する、というのなら、わりあいに出来ている先生方も見かけてきた。

だけれども、

それは大きなサインがあってこそ。

例え『小さなサイン』でもキャッチする。

そして『誰よりも速く』となると、私は、今までにそれが出来ている人と出逢ったことがない。

なぜならば、子供たちが何を恐れているかが、定型発達側だろうと思われる先生方には分からないからだ。だって自分たちは感じないから。

その、子供たちがどんな言動を取るか知らない、ということが対処できない原因となっている。

自分たちの物差しで考えている間は、子供たちの痛みには気付けない。子供たちの目線で、感性で、世界で、考える練習をすれば、徐々に分かるようになるだろう。

 

どんな言動、サインが出るかを知ったら、明日から、そのお子さんをずっと視界の片隅に入れ、観察しよう。そうすれば、今から書く内容に当てはまる行動が見つかるはず。後は側に速やかに付き、そっと肩に手をやるか、「大丈夫だよ」と言ってあげよう。ただ、間違っても大げさにヒステリックに「大丈夫よ!!私がいるからね!!」とやってはいけない。あくまでもさりげなく、冷静に、目立たないように。空気のようにそっと。

 

このスキルは、何も学校の先生だけでなく、療育施設の指導員や、保護者の方にも学んでもらい、子供たちの内面を理解してあげて欲しい。そうすれば、なぜ子供達が不登校になるのか、少しはご理解いただけるかもしれない。

この先には、本などにもなかなか書かれていない対応方法などを詳しく書いているので、その内容を読んでいただき、一人でも多く、不安に怯える子どもたちにとっての「全幅の信頼を置いてもらえる大人」になってあげてもらいたい。

 

 

 

不登校の原因は人それぞれ色々あるが、私はその根底には多くのお子さんが少なからず発達障害の方が持っている特性に近い困難さというものを持っておられるのではないかと思っている。

 

感覚過敏、不安症、起立性調整障害、などなど、それ単独で生まれ持っている子供たちもいるだろうけれど、濃淡の差はあれ、ベースに何らかの生きにくさ、困難さを持っていると考えられるからだ。

 

不登校児が急速に増えたからといって、今なお、学校に行くのが楽しい、友達と会えると嬉しい、学校で勉強したい、と、何の疑問も持たずに自然と登校できている子供たちも大勢いることを考えた時、通常なら気にならないようなこと、刺激にならないようなこと、流せること、が、不登校児には耐えられない大きな壁となっているのだから、そこには診断のあるなしに関わらず、そのお子さんの反応の仕方に応じた、それ相応の配慮とケア、そして適応に向けた細かなアプローチが不可欠だというのは理解していただけると思う。

 

そして、その、それ相応の配慮とケア、適応に向けた細かなアプローチ、というものは、ASDADHDの子供たちに対するものが有効だということも、付け加えておきたい。

 

まず、、、

最近の不登校児の傾向として多く見られるものとして、不安の強さが挙げられる。

一体何がそんなに不安なのだろうか?

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