きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

こだわり崩し。こどもたちの食を広げるには(1)

巷はGWに入り、どこも人出で賑わいだしましたね。

昨日、近くのショッピングモールでご飯を食べていたら、同じ店内で食べていたご家族の小さなお子さんが、「おいし~い❗❗」と叫んだ声を聞きました。私も同感だったので、どこの誰かも知らないお子さんと、美味しさを共有できたことが なんだか嬉しく思えて 自分で顔が綻んだのがわかりました。

この、同じ食べものを食べて、「美味しいね」と共感でき、その喜びを共有できるという力は、他者と一緒に生きていく世界において、結構大切な力ではないかとここ数年特に強く感じています。

何故なら、食べるということは、私たちにとって生きることに直結し、欠かせない行為だからです。毎日3食繰り返し行われる食事の場面で、その場に居合わせた他者と、喜びを共感、共有できるというのは、幸せにも繋がると思うのです。

 

ところが、みんながみんな、この「美味しいね」を共有、共感できるわけではありません。人それぞれ少しずつ違う味覚を持ち、好みも違います。違っていて当たり前で、違っていていいのですけれど、中には極端に違う感覚の持ち主たちもいます。

違っていていい、とは言うものの、みんなで同じ物を食べる場面、例えば、家族と食べるご飯の場面や、学校での給食などでは、この極端に違う味覚の持ち主である本人たちも、また、その周りの他者たちにも様々な困難が出てきます。

 

今の時代、「多様化」という言葉が多用され、なんでも個人の意向に寄り添うことが良しとされやすくなりました。極端に違う味覚の持ち主、それが自閉症のお子さまなら、嫌いな食べ物にチャレンジさせるだけでも並大抵の努力では難しいでしょう。なぜなら、こだわりが大変に強く、偏食で、嫌いな物に挑戦させようとすると、途端にパニックを起こされてしまうからです。

今の時代、強要して、一歩間違うと虐待と言われてしまう世の中になりました。好き嫌いがあっても命には関わらない、食べられるものを食べ、機嫌良く過ごせることが一番、というお話もよく聞かれるようになりました。嫌いな物を好きな物に変えてあげることで、みんなと同じように「美味しいね」と、その空間と時間を共有できれば、それが本人にとって、周りの他者にとって、幸せ・・・と、いう考え方もありますね。大人になったら食べられるようになる、ということもあるかもしれません。

 

強固なこだわりを持ち、偏食のお子さまを持つご両親にとっては、こういった流れは1つの救いにもなるでしょう。

そういう救いは、格闘の毎日を送られるご両親や周りの他者の精神面において、大切であるとも思います。

 

ただ、お子さま達が今、「発達途上」にあり、これからも「変化しつづける存在」だとするとどうでしょうか。

 

「絶対」ではないですが、まだまだ変化し、お子さまの食が広がる方法があるとしたら・・・。

 

赤ちゃんは、生まれて間もなく、母乳やミルクを飲んで成長し、やがて1歳前後から離乳食へ移行します。離乳食から、固形物へ、やがて段々、大人と同じ食べ物を食べられるようになっていきます。

ここだけを見ても、お子さま達は、生まれてからの数年間で凄まじい成長をしてきたことが分かります。

今に至るまでに、成長してこられたのですから、これからだって、成長し変化することは間違いない、と思うのです。

 

では、どうやって、お子さま達の、その強固なこだわりを崩し、少しずつ嫌いで苦手な食べ物を受け入れることができるようにしていくか、については、また次の機会にお伝えしたいと思います。

 

え?そんなこと?

というような方法です(笑)