きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

多様性と多様化とグローバル化の時代に。

ある動画で、イギリス人のアリさんという方が、海外から来た人に、日本の良さについてインタビューしているのを見た。

 

日本女性は、とにかくみんな細くて(?)綺麗でエレガント。男の子も女の子も、身なりがちゃんとしているようにも見えて、とても気持ちが良いらしい。

そして、素敵な人は皆んな傘を持っているから、その方も見習って傘を持とうと思う!というようなことを話していた。海外の方は少々の雨なら、あまり傘を持たないって聞く。

この方は、フランスから来たそうだ。

私は先日、フランス人のクララさんのことに触れ、カルチャーショックについて書いた記事を投稿している。

そこにいるだけで、空間が華やかになる、その容姿と、私の知り得ないフランスの文化の厚みが滲み出る、生活様式や気質に、無条件に素敵だなと引き寄せられる。

 

でも、それと同じことを、そのフランスから観光で来られた方が、私たち日本人に感じている。それが、丁度タイムリーで、良いなと思った。

それから暫く、その動画でアリさんが色んな国の人に日本のことについて質問している動画や、同じようなことをテーマに投稿されている動画を見てみた。

 

みんな親切で優しい。

マナーがいい。

美味しい食べ物がいっぱいあって、空気も綺麗。

街は大都市でも、どこも綺麗でとても清潔。そんな国は世界で多くないらしい。

走っている車はどれもピカピカ!

コンビニもたくさんある。

カスタマー・サービスが素晴らしい。

女性が夜道を歩いても危険が少ない。自分の国では罵られたりが野次が飛ぶ。などなど。

日本は電車が数分間隔で走っていて、あまり遅れない、というのは有名なところ。だけど、時々5分とか10分遅れが生じた時に、アナウンスでそれを知らせ、謝るということが珍しい、というのは初めて知った。

空港には標識やラベルがあって、どっちへ行けばいいか教えてくれるし、至る所で人がいて親切にしてくれる。らしい。へぇ〜。

自販機に温かい飲み物が売られていることに気づいた人もいた。その国では売ってないことに逆に驚き。

それから、日本人はあまり宗教の話をしないけれど、あちらこちらに神社やお寺や祠があって、すごく信仰深いものを感じる、と感じてくれている人もいた。

そして、多様性がある、と答えた人もいた。

厳格で知られるドイツの人は、ドイツの文化はとても厳格だけれど礼儀正しくはない、日本もかなり厳しいけれど、誠意と優しさがある、混雑していても整然と列を作って歩き、ぶつかる人もいない、仕組みやルールに従うことは、生活が円滑に機能することに繋がるということをよく理解していて高く評価しているようだ、だから日本が好き。と話していた。

(勿論ウィークポイントもある)

それが当たり前の様に身近にあるから、気が付かなかった日本のことを、海外から来られた人たちに教えてもらって、私はとても新鮮に感じて嬉しかった。

 

 

ところで、今や、多様化という言葉を聞かない日はない。

グローバル化が進み、なんでもかんでも外国のやり方に習わなければ!という強迫観念にも似た世の中の流れのようなものを感じるのも確か。

 

海外に住む知り合いは、事ある毎に、

「海外ではこうだ!今は多様化で、色んな考え方、やり方があるんだ!もうすぐ日本も多民族社会になるかもしれない、その時、日本人は海外の人の考え方を学んでおかないと、大変なことになる。今の日本の考え方ではダメだ!」と言う。

例えば、スーパーでは会計の前に商品を食べてもいい、とか、謝らないのが普通だ、とか。それが本当なのかどうか私にはわからないけれど、それを日本でしてしまうと大変だよ?お金払う前に食べちゃうと捕まるよ?と思うし、だから、日本もそれに習わなくてはいけないというのにも合点はいかなくて、

「それなら、そちらはそのやり方で何でも、上手くいっているの?」と聞くと、ウッと詰まり、

「いや、めちゃくちゃだ」と答えた。

え?めちゃくちゃ?

「なんや、それならやっぱり、日本のやり方を逆に広めた方がいいんじゃない?」

と返すと、大きく目を見開き、唖然としていた。きっと、そんな風に考えていなかったのだろう。必死で他国のやり方に習い、順応しようともがいていたのだと思う。郷に入っては郷に従えで考えると、それは仕方がなかったのかもしれない。圧倒的に多勢に無勢なのだから。

 

でも、日本には、大地震が起きても暴動が起こらないと広く知られているように、日本ならではの美徳が昔からある。炊き出しをもらうにも、長蛇の列に並び、じっと順番が来るのを待つ。阪神大震災が起こった次の日、妹は当時コンビニでバイトをしていたが、確かに日頃よりはお客さんの表情に鬼気迫る様子はあったそうだが、強奪は起こらなかったと言っていた。

財布を落としても、交番に届くことが多いし、夜道を女性が歩いただけで、罵りや野次が飛んだりもしない。

少しづつ治安が悪くなり、事件が凶悪化して、日本人としては不安なご時世ですが、それでも海外からきた人から見れば、まだまだクリーンで親切、平和な日本のようだ。

 

もしかしたら、そういう日本の良いところ、美徳を、日本人が一番分かっていないんじゃないだろうか?私を含めて。

「もっと、日本の良さを発信した方がいいんじゃない?」と夫にいうと、夫曰く、

「言わないところもまた、日本らしさなのかもね」だそうだ。

なるほど、確かに。深いこと言うのね。

 

ざっくりですが、一般的にグローバル化というのは、資本や労働力が国境を超え、移動が活発化すること、で、「世界一体化」とも言われている。そして多様性とは一つの塊の中にたくさんの特性や特徴を持ったものが存在するということ。多様化は、傾向が様々に分かれること。となっている。

 

ずっと以前から思っていたことだけれど、私たち日本人は、どうしても相手に合わせがちだ。日本にいても海外から来た人に会えば、慌てて片言の英語を必死に使い、身振り手振りでコミュニケーションしようとする。

でも、私たちが海外に行けば、国によっては日本語が通じるところもあるけれど、大概は相手の人は私たちがその国の言葉か英語を話すことを待ち、分からなければ首を竦められる。

結局、自国にいてさえも日本人は、自分たちの言葉を使わず相手に合わせてあげようとする傾向が強い親切な民族だと思う。親切だけど、裏返せば自信がないということだろう。日本人は、自己肯定感が低い民族でもある。

例えばもっと、海外から来た人が、どのようにするか待ち、もし英語で通そうとするならば、分からない、と言って首を竦めてみるのはどうだろうか? 相手の人はどうするだろう?慌てて日本語を調べようとするだろうか? それとも英語も話せない日本人など相手にしないでさっさと次に聞ける人を探しに行くだけだろうか? もし、そうであったとしても、私たち日本人は、自国においては、堂々としておけば良いのではないだろうか?、その上で、英語が話せるなら対応してあげるのはどうだろう?、とよく考えた。(親切にするのが日本人の良いところとして今や評価されているのだけれど)

 

今は、日本語を勉強して来日してくれる方がずいぶん増えたし、日本人も英語を話せる人が増えたわけなので、ある意味同等ではないか?と思うので、もう少し日本人は自信を持てばいいのになぁと思う。

 

そして、私には他にも色々湧いてくる疑問がある。

それは、グローバル化と多様性と多様化について。

この多様性という言葉は、1つの塊の中に様々な特性や特徴を持つものが存在するということだから、その中には勿論日本も入っていると理解できると思う。日本の歴史、日本の風土、日本の文化、日本の言葉、日本人の気質や性格、、、というものは、1つの国という意味では他のどの国とも対等なものなはず。

多様化は、その1つ1つの国、人、生き物、考え方の様々な特性や特徴に合せて、個々の事情に応じて様々な対応をするということなわけだから、勿論大前提は、1つ1つのの特徴や特性を尊重し、認めていくということになるのだろう。

そういう意味では、友達の言う様に、これだけ海外の人が日本にやってくることを考えると、相手のお国柄などの背景を理解し、その言動についても尊重し受け入れて対応していく、ということは分かる。ただ、多様化だから、日本には日本の特性や特徴があり、それを背景とした事情、考え方、ルール、言動というものがあって、特別に相手の考え方やルールに則って私たち日本人が自国の大切なルーツやアイデンティティを曲げてまで、合せていかなければならないというようなことは、「多様化」を前提に考えた時、ちょっとそぐわないんじゃないかなぁ?とも思うのだ。

 

私たち島国に住む日本人から考えると、海外の意向を広く取り入れる、というのは多様化だけれど、それだと相手側から見た時、相手の意向が高い割合で通れば、それは多様化でもなんでもなくなる、のではないだろうか?

 

じゃあ、私たちは、「これが日本のやり方だ!」と自信を持って押し通せるほどのものを持っているのだろうか? 自分たちのこと、よく知っているのだろうか? 自分たちの歴史や言葉や気質などの特徴をどれくらい知り、理解しているだろうか?

知り、理解していないと、これが自分(日本)だ!というようなアイデンティティも持つことは出来ないのかもしれない。

 

そして、以前は「国際化」という言葉が良く使われ、耳にしていたのに、今は気のせいか?すっかり「グローバル化」にすり替わってしまっているように思う。

 

グローバル化という言葉からは、共通の効率的なルールで国境を超えて物も資本も人も自由に行き交うことができれば そこに争う要因はなくなり地球が1つの国になるというような、そんな平和なイメージが漂ってくる。

でも、そうなのかな?

世界でビジネスなどにおいて障壁をなくし、やり方を統一して、もっと流通がスムーズになることは、世界のどこにいても同じ商品が買え、どこに派遣されてもすぐさま同じような働き方ができ、とても便利になることは間違いないかもしれない。アメリカのやり方をモデルとして、何もかも「共通」になっていくのが、一番「効率的」で最善なら、それも良いと思う。

 

でもそれと、コミュニケーションの取り方や、主張の仕方、ルールや規則、大切にしていることまで、グローバル化しないといけない、ということとは、少し違うのではないだろうか。

 

ビジネスは効率化して良くても、生活や心まで効率化してはいけないことがあるのではないかしら?消費社会のやり方をすべてに取り入れていくのは違うのではないかしら?マナーやルールは良くない方法に右習えしなくてもいいんじゃないだろうか?

とにかく日本人は、とても素直なのか、一度「国際化!」と言われる(誰に?)と、一生懸命国際化に励み、「グローバル化!」と打ち出されるとまたそちらに一心不乱に何もかも「グローバル化しないければならない」と信じて奔走する。もしくはその大きな荒波に流される。

 

その時、流れの中でもふと立ち止まって、はて、「国際化」とは? 「グローバル化」とは?はたまた、「国際化とグローバル化の違い」とは?と、自分なりにも考えてみるというのはとても大切なことなのではないか?と非常に思う。

分からなければ、考える。

考えても分からない時は、その問いを持ち続ける。

スマホで検索しても、詳しく分からなければ、知っていそうな人に聞いてみよう。

考えなければ、分からないまま、どんどん世の中は進んでいき、間違った意見を言われても、「へえ、そうなんだあ」「そっかあ、じゃあ、そうする〜」と、その先をよく考えずに信じて右へ習えしてしまうことになってしまう。

 

ここで、「はて、国際化とグローバル化の違いはなんだっけ?」と思った方は、検索したり、お隣の方に聞いてみたりしてください。そこで分からなければ、聞いても分からなかったお隣の方と一緒に、もっと分かっていそうな方に目星をつけて、「ちょっと教えてください♫」って、突撃アタックしてみてください。その方も分からなければ、3人でまた次の分かる方を目指して突・・・・・と繰り返していけば、誰がそういうことについて考え、知っているか?も分かるし、みんなで共通理解に辿り着け、みんなでそこからその事について、意見を交し出す、という積極的なコミュニティが生まれるかも知れませんよ。

「聞くは一時の恥」ですが、「聞かぬは一生の恥」だそうですから、なんでも小さい疑問のうちに解消しておくほうが、巡り巡って得になります。

 

さて、話が逸れてしまったけれど、結局何が言いたいかというと、このままでは、今、海外の方がせっかく気づいてきて下さっているのに私たちが気付いていない、日本の良さ、美徳、道徳心規範意識、といったものが、消えていってしまうかもしれないなってことなんです。

毎日、ニュースで事件が報道されて凶悪犯罪が増えていると実感するけれど、それは今に始まったことではなくて、今までもそう言われては来ていること。ただ、年々凶悪化するとすれば、この先子どもたちが大きくなった頃はもっと凶悪化している世の中なのかもしれなくて。どこかでブレーキをかけないといけない。

 

言われるがままに、日本が大事に守ってきた美徳の部分までグローバル化で完全に失くしてしまう前に、今一度、ではその美徳ってなんだっただろう?なんでその美徳ってこの日本にあったんだろう?どうやって維持されてきたんだろう?誰が維持してくれていたんだろう?私たちは、これからどうやって維持していけばいいんだろう?誰が知っているんだろう?(海外の人に聞く?)、と一緒に考えていってみてはどうでしょう?

 

まだ海外の人が気づいてくれるだけの美徳が残っている日本だから、強くアピールすることは苦手でも、せめて残っているところは維持して、来てくれた海外の人たちに肌で感じてもらえるような社会でありたい。そうすることで、自分の国に戻った人たちが、感じてくれたことを持ち帰り、広めてくれるかもしれない。

相手の国の良さも日本の国の良さも、上手に混ぜ合って、より良く世界が穏やかに進む方法を選んでいけますように。

その為に、私たちにとって暗黙の了解のような美徳や良識を、再び思い出して意識に上げて、取り入れていこうとする人が増えますように。と心から願う。

 

 

今回は投げ銭的有料記事です。

心に何か感じて下さった方がいらっしゃったら、よろしくお願いします。

 

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