きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

父の鳥の目、母の虫の目。

今回は、父親と母親の役割の違いについてです。

お父さんとお母さんで、お子さんへの教育方針がぴったり合っていて、いつも相談しあい、お互い、お子さんへの対応で相手の行動に異存はない、というご家庭もおありかもしれません。

うちは、何かと意見が合わなくて困る。というご家庭のお父さん、お母さんがいらっしゃったら、一度、このお話を読んでみていただきたいなと思います。

それまでのお互いを見る目が、変わるかもしれませんよ。

 

 

一組の男の人と女の人が、出逢って愛を育み、やがて待望の赤ちゃんが産まれました。

お父さんと、お母さんになった2人は、赤ちゃんをとても可愛がりました。

 

赤ちゃんは、お腹が空いたと言っては泣き、オムツが濡れたと言っては泣きます。

お母さんは、寝不足で、ふらふらになりながらも一生懸命お世話をしました。

お母さんがもし、お乳をあげなければ、途端に赤ちゃんは栄養不足になって病気になってしまいます。

お母さんがもし、オムツを変えてあげなければ、途端に赤ちゃんのお尻はただれ、運が悪ければ尿路感染などの病気になってしまうかもしれません。

お母さんは、初めての赤ちゃんに、どう接していいか分からないなりに、本を読んだり母親やお姑さんや友達に聞いて学びながら、一生懸命にお世話をしました。

自分がいなければ、赤ちゃんは元気に大きくなれないことを知っているからです。

 

お父さんが家にいる時も赤ちゃんは泣きますが、お父さんは赤ちゃんがどうして泣いているのかわかりません。いつも赤ちゃんと一緒にいるお母さんに、理由を尋ねます。

そんな時お母さんは、「きっと、眠たいんだわ」「多分、お腹が空いているんだわ」「ちょっとなんだか調子が悪そうね」と、赤ちゃんの様子をパッと見て、その時の様子から考えられることをお父さんに伝えるでしょう。

お父さんは、お母さんがどうしてパッと見ただけで、言葉を話せない赤ちゃんの気持ちが分かるのか、とても不思議に思いました。

「調子が悪いって、いつもと変わらないみたいだけど?」とお父さんは聞いてみました。

お母さんは赤ちゃんを覗き込んでから、「いつもより顔色が悪いみたい」と言いました。

「え?そうなの?う〜ん。いつもと変わらないみたいだけどなあ」とお父さん。

お父さんにはいつもと変わらないように見えるのに、お母さんには違って見えるみたいです。

「気にしすぎなんじゃないかな?大丈夫だよ。」

そうお父さんが返すことは、実は結構多いケースかもしれません。

確証を持てないでいたお母さんなら、「そうかな、大丈夫なのかな、気にかけすぎだったか」と、思い直すかもしれませんね。これって、悪い方に考えたくないなって気持ちの裏返しだったりします。「大丈夫だよね」って思いたいですもんね、誰だって。

 

でも、自分の勘に何となく確証めいたものを持ったお母さんなら、こんな時どう思うでしょうか。

「え?よく見もしないで大丈夫だよなんて、無責任じゃない?」

そう感じて、カチンと来てしまうこともあるでしょう。

 

意外とこういったことがきっかけで、徐々にお父さんとお母さんの間に、微妙な溝が出来始めてしまうことが多いのではないかと思うのです。

 

お父さんとしては、お母さんを安心させたかっただけかもしれませんし、本当に大丈夫そうに見えたから言っただけなのかもしれません。それなのに、「信じられない」なんて言葉が、お母さんからまさか浴びせられることになろうとは青天の霹靂に感じてびっくりされることでしょうね。

びっくりしたお父さんは、「何を大袈裟な、、、」と思わず呟いて、更にお母さんの怒りを買ってしまうかもしれません(汗)。

 

こんなことって珍しい、、、のかと思いきや、療育のお仕事をしていて、何十組、何百組もの御夫婦のお話を聞いていると、これが珍しいなんてことは全然なくて、割とどこのご家庭でもよくある話で、同じようなお悩みを、お母さん方からたくさんお伺いします。

時にはそのことが端を発して、離婚という大きな問題に繋がっていることもあります。

 

どうしてこういったことが、どこのご家庭でも起こり得るのに、未だに無くなっていないか?と考えた時、案外その一因をご存知ない方が多くいらっしゃるからかもしれないなぁと思うのです。

 

では、こういったことがよく起こる一因は何なのか?というと、、、

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