きらめき 綴り

療育アドバイザーとして活動しています。日々の心の煌めきを大切にしています。

神宿る島、厳島で、親から子へ伝承することの大切さを思う。

広島滞在最終日には、もう1か所、寄った所がありました。

 

それは、広島といえば、と定番の宮島、厳島神社です。

私はこちらも行ったことがなく、厳密にいえば20代初めに、車でどこまで行けるか弾丸ツアー!を勝手にしていて、近くの山の上を通る高速から、少し眺めたことがある程度しかなくて。ほぼ、初めて。

 

対岸の宮島まで片道10分ほど、連絡船に乗って海を渡りました。

船に乗るって、とっても久しぶりで、元々乗り物に弱い私はやや心配になりましたが、そこはたかだか10分のこと。なんということもなく、楽々束の間の船上を楽しみました。

 

宮島は厳島とも呼ばれていますね。

宮島は、「神を斎き祀る島」とも言われているそうで、島全体が御神体となっています。天照大神素盞嗚命の娘、市杵島姫命(いつきしまひめのみこと)と弁財天が合わさり祀られているということですが、日本三景とも呼ばれるこの島、神が造った美の景観とも言われるだけあり、私が訪れた日も、とにかく空が透き通るように輝いていて、吸い込まれそうなほどでしたし、海岸沿いに植えられた松が見事で、昔から、変わらず美しく有り続けている様は、正しく神が宿る島だと思わざるを得ませんでした。

厳島神社の中を、参拝している時、小学生低学年くらいのお子さんに、お母さんが、「ほら!神様が見ているよ!」と何やら諭している声を聞きました。

 

最近あまり聞かれなくなった言葉でした。

今、小学校では担任の先生以外の、教室に出入りする大人に対して、簡単に、顔面に、ツバを吐きかける子どもたちが増えました。

「ババア」と暴言を吐くことも珍しくなくなりました。

いつ頃からでしょうか。

私が把握しているところでは、8年前ごろからでしょうか。それまでは、そういった子どもは見かけませんでした。

 

「そんなことしていると、自分が困ることになるよ」というと、「困るのが俺なら、別に構わん、ほっといてくれ」と言い、「神様が見ているよ」というと「俺は神様なんか信じない」と返す。そんな子どもが増えたのです。

 

善悪の判断がつきにくく、衝動が強い子どもたちに、善悪を伝え、抑制力を養うことはとても重要で優先度が高いのですけれど、実はこれだけでは十分な抑止力にはなりません。

自分にとって絶対的なものが心の第三者として、心に宿っていないと、いくら善悪を知識として知っていても、実際に衝動に駆られた場面で、歯止めが効かないのです。

昔から、この心の第三者として心に宿る自分にとって絶対的なものとして、神様やお母さんが挙げられていました。

今は、やや「お母さん」が残ってはいますが、「神様」という目に見えない存在は、信じ難くなり、お母さんの目が届かないところでは悪いことをしても見つからない、と考える子どもたちが増えました。

 

私たちが子供の頃、天国と地獄があって・・・と親に繰り返し教えられ、周りで誰も見ていなくても善行をすることで徳を積むだとか、悪いことをすると閻魔様が見ていて地獄に落ちるだとか信じていたような文化は、かなり廃れてしまっていると私は嘆いているのですが、この日の親子のように、お母さんが今まさに神社の境内で、お子さんに対して「神様が見ているよ」と諭しているところを見ると、「あぁ、こんなふうに、一番神様の存在を身近に感じられる場所で、お子さんに対してしっかりと信心する心を教えておられるお母さんがいる」と嬉しくなりました。

 

誰が見ていなくても、神様が見ている。

そう子ども達の心に、心の第三者として大切な存在がしっかり宿り、自分の欲に勝って抑制する力を身につけた子どもたちが一人でも多くなれば、この先の世の中は少し、良いものになっていくのではないか。そう思うのです。

 

広島平和記念資料館で、幼い我が子に戦争の悲惨さを伝え、これからどうしたらいいか一緒に考え、しっかり向き合っている親御さんに、そしてこの神宿る島の厳島神社では神様の存在を我が子に教える親御さんに、出逢えたことは私にとっても神様の存在を感じるような、素敵な出来事となりました。

 

恐らく、今、親である世代はギリギリそのまた親から、神様、天国と地獄、といった宗教心、信仰心を教えられているはずです。

 

子どもにとって、「お母さん」はかけがえのない存在。

そのお母さんから、平和の大切さや、目には見えない神様(日本では八百万の神でいいかと)の存在を、日常の中で繰り返し繰り返し話して聞かせてもらえたら、きっと子どもたちの記憶に残り、心に大切な第3者として宿り、いざという時のストッパーになると思うのです。そして、それは大切な子どもたちの未来を守ることに繋がると思うのです。

 

もし、この記事を読んで下さった方々にお子さんがいらっしゃったら、少し心に留めていただき、大切なお子さんたちに、今日からポツリポツリと、話してあげてはいただけないでしょうか?