3月いっぱいで終了した幼児親子体操教室でのお話。
3,4歳のクラスに元気いっぱいの男の子がいました。
男の子にはまだ小さい弟くんがいました。弟くんは初めの頃は1歳になったばかりだったと思います。
いつもママは弟くんを抱っこ紐(今でもこう言うのかな?)に入れて、抱っこやおんぶをしながらお兄ちゃんと一緒に踊ったり走ったり転がったり四つん這いになったりしていました。
おいおい、大丈夫かい?と思う場面もたくさんありましたが、元気で頑張り屋さんのママさんは、いつも「えへへ、大丈夫です」と笑っていました。
とはいえ、まだ1歳の子どもさんですから、あまりガクンガクンと揺さぶられては、脳へのダメージなどの心配もあります。
あまり大変な時は、無理せず降ろしてもらい、お兄ちゃんとママが器具などに取り組んでいる間、抱っこして待っていてあげることもありました。
お兄ちゃんはとにかく元気でやんちゃなところがありまして、ママは結構手こずっておられるようでした。
おのずと私が側に行ってサポートに付くことも多く、その様子をいつも弟くんは、ママが抱っこやおんぶしていた抱っこ紐の中から、のぞいて見ていました。
弟くんは、すこぶる大人しく、1時間の体操教室の間、1度もぐずって泣くこともなく、素晴らしくお利口さんでいつも私は感心していました。
そんな弟くんも、ママとお兄ちゃんが昨年1年間、体操教室に通ってくれている間に成長し、抱っこ紐から出て、よちよちと自分の足で立ったり歩いたり出来る時がやってきました。
まだ危なっかしい足取りで、滑る体育館の床を進もうとするので、私はいつも冷や冷やものです。
他の子どもたちが走り回る時、ぶつからないようにさりげなく壁となってガードすることもありました。
ふと、弟くんの視線を感じ、視線を下ろすと、見上げる弟くんと目が合いました。
まだよちよちで言葉も出ていないのに、その目には強い意志が宿っているのを感じました。
すると何やら弟くんが人差し指を差し出します。
なんだろう?と私は戸惑いましたが、人差し指は私に向けられたまま。仕方がないので、試しに私も人差し指を出して、ゆっくり弟くんの指に合わせました。
そう。E.Tとエリオットがしていた、あれ、みたいに。
でもそれで良かったみたいで、弟くんは満足げにニヤっと笑みを浮かべていました。
またある時は、私の方を振り返り、別の方角を指差しすることもありました。
え?私に何か伝えてる?
まだ1歳半の頃です。
その時は、(ママとお兄ちゃんがあっちに行った。ぼくも行くから、あんたもこっちにおいでおいで〜)と言っているようで、ママの方へと近寄りつつ、両手を上げて、私に向かって10本の指を曲げたり伸ばしたりして、おいでおいでしているのです。
周りには他のお母さん方や別の講師もいるというのに、どうやら弟くんは、いつも私を見つけると、無言で色んな方を指差して、何かとメッセージを伝えてきていることに気づきました。
なんで私なの?
と不思議で仕方ありません。
その弟くんは、段々と頭角を表し始め、ダンスの音楽が鳴りだすと、リズムに乗って体を揺らし、振り付けに沿って踊るようになりました。振り付けを覚えてしまったようなのです。
私たち講師が体育館内をタンバリンを鳴らしながら走り、出す指示に沿って、同じ動きをする時も、3,4歳のお兄ちゃんやお姉ちゃんと一緒に走ったり止まったり寝そべったり、なんとバック走や寝転んで腕だけで進むなんてことも、何故か一斉指示に従って、上手に出来るようになっていました。それがあんまり可愛くて可笑しくて。
肝心なお兄ちゃんは、自由気ままに走り回っているというのに。
体操教室も終盤になり、前もってみんなで集合写真も撮りました。焼き上がった写真をもらって帰ってもらった次の会で、、、。
ママが言うのです。
「写真を見ながら誰が好き?って聞くと、お兄ちゃんは、必ず、他の子の付き添いに来ていたお姉ちゃんを指さします。でも、弟くんに何回聞いても、いつも、きらめき先生を指差すんです。」
「弟くんは、きらめき先生が推しなんですよ」と。
私が推し???
まあ、なんて嬉しいことでしょう!
私は知らない間に弟くんに、えらく気に入られていたようです。
どおりで。抱っこ紐の間から覗く目がいつも私を見てると思った(笑)
でもなんでなのかなぁ?もう1人の講師の方がかわいいよ?同じ歳だけどw。
そう言えば、私、発語が遅れている自閉症のお子さんとか、言葉のまだ無い方たちに、気に入られるんだよなぁ、、、。この人には通じるなって分かるのかも!?
それにしても弟くんは、毎回ママの背中で揺さぶられて、ダメージを受けるどころか、逆にハイパーに成長していました。
最終日。
お別れの時。
抱っこ紐の間から、私を見つめ、弟くんが一言。
「ばいびー!」
初めて聞いた弟くんの言葉。
もう、ハート鷲掴み♡
またちょっと大きくなって、お話ができるようになった頃に会いたいね。
どんな君に育っているだろう?
